「エア マックス95」ブームから20余年……世界的スニーカーブームはいかにして訪れたか?
「スニーカーは現在、アクセサリーとして扱われつつあり、特に中国ではラグジュアリーなアイテムとして認識されるようになっています。そのため、スニーカーを投資対象として見る向きもありますが、しかしスニーカーはネックレスや革製のバッグに比べて明らかに劣化が早い商品です。約10年から15年で加水分解してしまうので、そうなったときの価値をどのように定めていくのかが、今後の課題となるのではないでしょうか。通常、ヴィンテージなアイテムは古いものほど価値があり、実際に『Stock X』を見ていると古いアイテムが高額となっています。古いと言っても、たかだか10数年前のアイテムだから市場が成り立っていますが、これがずっと続くわけではありません」
現在、某ブランドのコラボスニーカーには、各種アプリで70~100万円近い価格が付いているが、高級なスニーカーにこそ価値があるという状況には違和感を覚えるファンもいるだろう。
「昔からスニーカーが好きな人は、モノとしての面白さだったり、カルチャーとの結びつきの中に価値を見出していたと思います。私自身、カルチャーのハブとして楽しんでいたからこそ、今もスニーカーを履き続けている。そう考えると、今後どのように若者たちのカルチャーと結びついていくかが、スニーカームーヴメントをサステナブルなものにする鍵になるのではないでしょうか」
■書籍情報
『1995年のエア マックス』
小澤匡行 著
7月8日発売
定価:990円(10%税込)
出版社:中央公論新社