【レシピ実践】『鮭とごはんの組み立て方』に学ぶ鮭料理の奥深さ いつもの鮭が格別な味わいとなる一冊

【レシピ実践】『鮭とごはんの組み立て方』レビュー

白ワイン風味の鮭パエリア


 鮭とあさりの海の幸に、ポルチーニ茸の旨みが炸裂するごちそうパエリア。蒸された鮭のホクホクの身をほじり、あさりの身を殻からはずし、鍋底のお焦げを大事に剥がし……と手先が急ぐおいしさ。ご参考までに、本書のレシピではパエリア鍋が指定されているが、我が家にはないのでテフロンのフライパン(直径26cm・フタ付き)を用い、トッピングのディルの代わりにパセリを散らした。

 スーパーの鮮魚コーナーに並ぶ鮭の切り身。紅鮭、銀鮭、時鮭にアトランティックサーモン。どの鮭も、文字通り波にもまれて成長し、波瀾万丈な一生を経て、最後に私たちの食卓に運ばれてくる。回転ずしのサーモンが最後に流れ着く私がいるレーンも、鮭の終着駅のひとつだ。読後、鮭を食べるシチュエーションのすべてが鮭の壮大な旅の終わりに思えた。この本を読む読まないでは、鮭のおいしさは確実に違うものになるだろう。鮭が好きならぜひ手に取ってほしい、いつもの鮭がきっと格別な味わいとなる鮭まみれの一冊である。

■書籍情報
『鮭とごはんの組み立て方』
定価:2,420円
出版社:誠文堂新光社

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