『東京卍リベンジャーズ』三ツ谷隆は“ギャップ王子”? 不良×手芸部の魅力を考察

『東京卍リベンジャーズ』三ツ谷隆の魅力

 『東京卍リベンジャーズ』(講談社)は2021年7月9日に実写映画も公開された、今年1番のヒット作と名高いSFヤンキー漫画である。少年誌連載にも関わらず、女性ファンが多いのも本作の大きな特徴だ。そして多くの魅力的な人物が登場する中で、女性ファンから多大な支持を受けているように感じるキャラ。それが東京卍會弐番隊隊長、三ツ谷隆である。そこで本稿では彼の魅力を考察しながら、人気の理由に迫る。

 東京卍會では幹部の位置に籍を置き、作品内でも要所要所で重要な役割を担う三ツ谷。確かに不良らしいイケイケなルックスも人気の一因だろうが、大部分はそこではないように思う。彼の魅力を語るのにまず特筆すべきは、他メンバーとは一線を画す「落ち着いた大人っぽさ」だろう。

 不良が多く登場する本作には、強く、熱く、実直なキャラクターが多く存在する。しかし三ツ谷はいつも彼らを、一歩後ろから冷静に支えていた。武道がマイキーにトーマンの集会に誘われた際、彼は案の定集合場所でトーマンメンバーに絡まれてしまう。事情も聞かず一方的に捲し立てられる武道。その状況を冷静に処理し、事を荒立てずにマイキーのもとへ武道を連れて行ったのもこのシーンが初登場となる三ツ谷だった。またペーやんがドラケンの態度に腹を立て、謀反を起こした際。反省しトーマンに戻ると決めたペーやんに、三ツ谷は「みんなにちゃんと謝れよ」と話す。そして「…うん…」と返事をするぺーやんに、三ツ谷は「おかえりペーやん」と声を掛けた。感情のままに拳を振るうパーちんなどとは異なり、力の弱い者にも優しく接する三ツ谷。そんな彼の達観した雰囲気は、幼い頃から健在だった。

 母子家庭で育った三ツ谷は、母に代わり1人で2人の妹の面倒を見てきた。そのため彼は家族への愛は強く、面倒見は人一倍良い。黒龍との抗争間近、三ツ谷が弟のように可愛がる八戒は彼と出会った小学生の頃を思い出していた。公園で一方的に殴り続ける八戒の腕を掴み、「やりすぎでしょ」と止めたのが抱っこ紐で赤ちゃんを抱いた三ツ谷だった。母親は夜中まで仕事をしていたため家事を全て任されていた三ツ谷に、八戒は「押し付けられてつらくねーの?」と尋ねる。そして現在、三ツ谷は八戒に「生まれた環境を憎むな」と優しく伝えた。

 他作品でも、主人公などを後ろから支える有能キャラクターは人気が高いものだ。キャラクター人気投票などを行えば、主人公では無いキャラが首位を獲得するのもザラである。『NARUTO -ナルト-』のキャラクター人気投票で総合1位を獲得したのはカカシ先生だったし、話題沸騰の『チェンソーマン 』での第2回投票1位には主人公の相棒である早川アキが輝いた。もちろん主人公が1位の作品も多く存在するが、特に女性ファンはやんちゃで無鉄砲な主人公よりも、頼り甲斐のある人物にトキメく傾向がある。その点で言えば三ツ谷は、これ以上ないほどその真価を発揮していた。

 また三ツ谷はトーマンの「ギャップ王子」でもある。現実想像に関わらず、感情の盛り上がりにギャップは必要不可欠と言っていいだろう。上述した大人っぽさも1つのギャップである三ツ谷だが、彼は作品内で伝説の名作を彷彿とさせるギャップを見せている。



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