「ジャンプ」新連載『レッドフード』は王道少年マンガ? 童話×人狼で読者の心を掴むか
「週刊少年ジャンプ」30号からスタートした川口勇貴の『レッドフード』。第14回金未来杯で優勝した注目作品である。
小さな「カソカ村」。そこで「また」人が消えた。着ていた服と、血の跡を残して。彼らを脅かしているのは“人狼”と呼ばれる怪物。
〈人間がある日突然食人衝動に目覚め、やがては人肉を食らう怪物となる〉
つまり、隣人が突然、人狼になる可能性がある。なぜそのような怪物が生まれたかは分からない。ただ、一度でも人を食べた人狼はもう普通の料理で満足できなくなる。一生、人間を襲い続ける体になってしまうのだ。
これ以上の被害が出ることを恐れたカソカ村の村長は、怪物退治専門の傭兵組織「狩人組合」に要請を出す。組合を設立したのは「赤ずきん」という伝説の狩人だという。
カソカ村に派遣されてきたのは、村人にとっては期待外れの小さな女の子・グリム。まずは前金をよこせというグリムに、人狼に親を殺された少年ベローはかみつく。しかし、もう危機はすぐそこに迫っていた。
狩人vs人狼 王道少年漫画
狩人たちの目的はすべての人狼を倒すことだ。世界観はシンプルで分かりやすい。そして大切な人を奪われて人狼に憎しみを抱く少年・ベロー。今は、自分が暮らしている村の人たちを人狼から守りたいと思っている。
一方、グリムはクールで、一見、公私混同をしないように見える(が、今後どうなるかはわからない)。
初めての戦いで、センスの片鱗を見せたベローをグリムが狩人にスカウトするが、ベローの回答はNOだ。そこでグリムは「村の安全の保障」と「自分への信頼の獲得」を優先させる。村を守り抜いて、信頼のおける人物であることを証明してみせてから、ベローを狩人として育てていくのだろうか。
ベローの親の仇は、すでにカソカ村の村長がとっている。村を守るということ以外に、ベローは狩人になるどのような理由を見つけるのか。