『後ハッピーマニア』は浮気と尾行のオンパレード! 40代になったシゲタの“幸せ探し”はさらなる混迷へ

『後ハッピーマニア』は浮気と尾行のオンパレード! 40代になったシゲタの“幸せ探し”はさらなる混迷へ

「永遠の愛なんて誓えない」、「本当は誰もそんなの誓えない、今愛していればいいから」。

 安野モヨコの『ハッピーマニア』は、そんな言葉とともに、主人公シゲタカヨコとタカハシが結婚して幕を閉じた。結婚式場の控室で「彼氏欲しい」と叫んでドレスのまま逃げ出そうとするシゲタがあの後、どうなったのか、当時の読者も気になっていたことだろう。それから16年、待望の続編『後ハッピーマニア』が始まり、シゲタとタカハシのその後が描かれることになった。

今度のシゲタは尾行マスター?

 『後ハッピーマニア』は、45歳となったシゲタ(結婚してタカハシの姓になっているが、シゲタで統一することにする)がタカハシから離婚を切り出されるという衝撃の展開から始まる。前作の読者ならご存じだろうが、シゲタがどれだけ浮気しても、タカハシは一途にシゲタを想い続けた男だ。純愛を絵に描いたようなタカハシが、他の女性に惹かれて離婚を切り出すというのは、前作の「永遠の愛なんて誰も誓えない」をそのまま体現している。

 今までタカハシの稼ぎで生きてきたシゲタはほとんど職歴もないまま45歳となってしまった。前作でも恋愛優先で仕事をすっぽかしまくって何度もクビになっているシゲタだが、この年齢での離婚はいよいよ生存の危機にかかわる。夫に他に想い人ができたことのショックと今後の不安など、様々な感情が渦巻いていくシゲタだが、タカハシが惚れた女性、詩織がストーカーに襲われていたところをタカハシが助け、大けがを負って入院したことを知り、シゲタは「なんかもういいや・・・」と感じてしまい、タカハシの世話を詩織に押し付けて、ふたたび幸せを探す旅を始める。前作でも度々使用されたフレーズ「ひとりの旅が始まる」で締められた巻末に懐かしさと頼もしさと危なかっしさを感じた読者も多いことだろう。

 前作からの読者の中には、この1巻のシゲタを「らしくない」と感じた人もいるかもしれない。なぜなら、一人の男に執着しないで次々といろんな男に惚れてはヤッてしまうのがシゲタだったからだ。

 しかし「ひとりの旅」を再び開始した2巻ではいよいよ「恋の暴走機関車」シゲタが完全復活するのか、と思いきやそうはなかなかならない。2巻のシゲタは、なぜかかつてのセックスフレンド、田嶋から妻の浮気調査を頼まれ、尾行のスキルが上昇、さらには田嶋の妻の浮気相手(偶然にもシゲタが以前浮気未遂に終わった男だった)にも尾行者がいないか調査してくれと頼まれ、挙句の果てになぜかシゲタ自身も身辺調査の尾行がついている、という浮気と尾行のオンパレードで、ドロドロの展開を見せる。

 主人公が尾行スキルばかり上げていく恋愛漫画なんて今まで読んだこともないが、シゲタならそういうこともあるだろうと納得させられる行動力と反射神経である。

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「漫画」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる