『僕のヒーローアカデミア』オールマイトが提示した“目指すべきヒーロー像”とは?
継がれる、ヒーローの本質
デクを後継者に選ぶ際に、オールマイトはこんなことを言っている。
「トップヒーローは学生時から逸話を残している……
彼らの多くが話をこう結ぶ!!
『考えるより先に体が動いていた』と!!」
無個性ながら、ヴィランに襲われている爆豪を助けようとしたデクの姿にオールマイトはヒーローを見た。そして、デクが危機に晒されたときに思わずかばった爆豪の姿にも。
「職業:ヒーロー」が存在すれば、いろんな「ヒーロー」がいる。ヒーローを辞める者だっているし、転職を考える者だっている。「仕事」だからだ。中にはラクをしようとするヒーローだっているだろう。しかし、真のヒーローは本能で体が動く。
誰かを助けるために、誰かを守るために本能で動くのはデクや爆豪だけではない。彼らのクラスメイトたちもまた、苦悩しつつも守ることだけを考えて動いている。個性はデクに引き継がれ、ヒーローとしてのオールマイトは終わりを迎えた。しかし、そのヒーローとしてのその精神は、多くの若者に受け継がれていく。
(文=ふくだりょうこ(@pukuryo))
■書籍情報
『僕のヒーローアカデミア』(ジャンプコミックス)既刊29巻
著者:堀越耕平
出版社:集英社