『ONE PIECE』ヤマトは麦わらの一味となるか? ワノ国編、最重要人物を考察
そしてこのストーリーには、もう1人の重要な“おでん”が存在する。それがカイドウの息子(娘)であるヤマトだ。四皇の息子という立ち位置のヤマトだが、初登場時から父であるカイドウのことを嫌っており、ルフィに仲間にして欲しいと語る異質なキャラとして描かれた。
そしてワノ国を牛耳るカイドウの息子・ヤマトが憧れる人物こそ、元九里の大名である光月おでんだった。その心酔ぶりは尋常ではなく、真っ直ぐな目で自らを「おでん」と呼称するほどである。そこで気になるのは、自らを航海に連れて行けと懇願するヤマトが、ルフィの10人目の仲間となるかだろう。
ヤマトがルフィの仲間になるかの決め手となるのは、やはりヤマトが持っているおでんの航海日誌だと考えられる。おでんは光月家が代々受け継ぐ石工技術を、ロジャーとの冒険で存分に発揮した。
もし航海日誌に石工技術について書かれているならば、ヤマトもおでんと同じような働きができる可能性が十分にある。そうなればヤマトがロジャー海賊団のおでんのように、麦わらの一味と終盤の海を駆け抜け、名実ともに「2人目のおでん」となるときが来るだろう。
最悪の世代の台頭や四皇2人を同時に相手にする衝撃の展開など、終幕に近づくにつれ、熱を増すワノ国編。しかしこの“2人のおでん”がワノ国編のキーパーソンであることは間違いない。ルフィはワノ国の無念を晴らし自らも更なる高みへ登るため、カイドウを倒すことができるのか。ヤマトは一味と共に海賊王への路を繋ぐピースとなるのか。佳境に差し迫るワノ国編の今後を、期待して見守りたい。
■青木圭介
エンタメ系フリーライター兼編集者。漫画・アニメジャンルのコラムや書評を中心に執筆ており、主にwebメディアで活動している。