フライドチキン、ピザ、ステーキ……クリスマスは『美味しんぼ』の極上料理を作ってみよう!

『美味しんぼ』クリスマス料理4選

 2020年も残りわずかとなり、クリスマスの足音が聞こえてきた。今年は感染症対策の一環として、クリスマスを家庭で過ごす人も少なくないだろう。

 とは言ってもクリスマスパーティーで、どんな料理を作っていいのかわからないという人も多いはず。そこで今回は料理漫画の草分け的存在、『美味しんぼ』から、クリスマスパーティーの参考になりそうな料理を選んでみた。

中華風フライドチキン

 クリスマス料理の定番の一つにフライドチキンがある。専門店で買う人も多いだろうが、『美味しんぼ』では独自の食べ方を提案している。

 それが10巻で紹介された中華風フライドチキンだ。アメリカ人の妻を持つ東西新聞社政治部の松川記者は、フライドチキンが大嫌いで、「人類が発明したもののなかで核兵器と並ぶ忌まわしいものだ」と叫ぶほど。

 しかし彼の妻でアメリカ人のメリーは、「フライドチキンを二度と食べないと言うようなわがままな人とは暮らせない」と、アメリカに帰る用意をしており、離婚のピンチに陥ってしまう。松川は山岡士郎に協力を依頼した。

 後日松川の家を訪れた山岡が作った料理が中華風フライドチキンだった。まず、内臓を取り除いた鶏肉に塩コショウをなすりつけ、表面を湯でくぐらせたうえ、皮をピンと張らせ、その上に、水アメを酢で溶いたものを塗って風干しにする。これは中華料理の技法らしい。

 続けて中華鍋に落花生油を入れて熱し、ジャーレンの上に載せた鶏肉に油をかけ、熱をじっくり中まで通す。そして充分中まで熱が通った頃に油を高温にしてかけると、表面がパリパリの中華風フライドチキンの出来上がり。

 フライドチキン嫌いだった松川はその表面がパリパリとした中華風フライドチキンの味を絶賛。「これは美味しい」と克服し、家族仲を取り戻した。(10巻)

 一般的なフライドチキンとは異なる「中華風フライドチキン」。少々手間はかかるが、その味は間違いなく本物。普通のフライドチキンは、なんだか物足りないと感じている人におすすめの一品だ。

シカゴ・ピザ

 クリスマスにはピザを食べたい! という人におすすめなピザが、27巻で取り上げられた「シカゴ・ピザ」だ。シカゴ・ピザはシカゴで発展した方式のピザで、数種のバリエーションがある。『美味しんぼ』に登場したシカゴ・ピザはディープディッシュ・ピザと呼ばれ、最もポピュラーなスタイルだ。

 ピザレストラン経営者の娘に惚れ、店に通う力士・鏡洋。交際を考えているが、親方がちゃんこ以外の食べ物を認めようとしない。そんな親方を同部屋の横綱・若吉葉が説得。そして同席した山岡が「ピザの横綱がある」と明かし、ピザ店に誘い出すことに成功した。

 店で山岡が「アメリカらしい超ド級のピザの横綱」として紹介したのが、シカゴ・ピザだ。ピザの生地で深皿を作り、中にミックスピザの具を二層に盛り込み、上にトマトソースとモッツァレラチーズを乗せ、オーブンで焼く。すると、超巨大なシカゴ・ピザができあがり。

 山岡も「普通の人間が食べ過ぎたら大変」と話す代物だが、クリスマスのような特別なパーティにはもってこい。自分で作るのもいいが、実際にシカゴ・ピザを提供するレストランもある。テイクアウトでアメリカンなクリスマスを満喫するのもよさそうだ。(27巻)

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