フライドチキン、ピザ、ステーキ……クリスマスは『美味しんぼ』の極上料理を作ってみよう!

『美味しんぼ』クリスマス料理4選

ザッハ・トルテ

 クリスマスに欠かせない定番メニューと言えばもちろんケーキだろう。ショートケーキ、フルーツタルト、ティラミスなど、バラエティ豊富だけに、どれにしようか迷ってしまうはず。

 『美味しんぼ』に登場したケーキのなかでクリスマスにおすすめなケーキが「ザッハ・トルテ」だ。結婚を決めた山岡と栗田を、それぞれの友人が「初恋の人と違う」「つまらないサラリーマン」と罵る。しかも、その2人も結婚するのだという。

『美味しんぼ』(44巻)

 周囲から結婚の取り止めを勧める声もあったが、山岡の世話役・おチヨの仲介もあり、無事仲直り。そして「パリ以外のお菓子は田舎の駄菓子」とうそぶく2人に、一泡吹かせるため、美味しいウィーンのケーキを食べさせることを企む。

 川崎市麻生区のウィーン菓子店「リリエンベルグ」に2人を呼び出した山岡と栗田。「フランス菓子以外は田舎」とバカにする態度を見せる2人をよそに、店主がチョコレートを使ったウィーンの伝統的菓子ザッハ・トルテと、アップルストゥリューデルを作り上げた。

 「フランス以外田舎」と話した2人はザッハ・トルテとアップルストゥリューデルを食べると、言葉を失ってしまう。そしてケーキの味と山岡と栗田の相性を絶賛し、大団円となった。(44巻)

 ザッハ・トルテやアップルステゥリューデルの作り方は、ネットで簡単に探すことができるので、チャレンジしてみるのもいいだろう。また、今回登場した菓子店「リリエンベルグ」は実在する店で、多くの人に愛されている名店だ。実際に購入したいところだが、同店のウェブサイトによると、今年は新型コロナウイルス感染拡大に伴い、クリスマスケーキの販売を行わないそう。

ステーキ

 クリスマスに食べたい花形料理はもちろんステーキではないだろうか。そんな人に今回覚えてほしいのが、『美味しんぼ』流のステーキだ。

 日本一の味と評価される牛肉を育てる大南牧場の大南が身分を隠してステーキレストランを訪れる。居合わせた山岡と栗田を前に、大南は「肉がまずい」と泣き崩れてしまう。

 料理人は「営業妨害だ」「うちの店は日本一の大南牧場の肉を使っている」と啖呵を切ると、大南氏は「私が大南牧場の大南重吉だ」「こんな肉の扱われ方を見ると悲しい」「この店には大楠牧場の牛肉は入れさせない」と言い渡す。

 衝撃の仕打ちの理由がわからず戸惑う料理人に、山岡と三谷が紹介したのがステーキ焼きの名人、伝助老人。両者がレアで焼いたステーキを食べるとその差は歴然で、一様に「伝助さんのほうがずっと美味しい」と驚きの声を上げる。

 伝助は「レアっていうのは火が充分通った生のことなんだ」とアドバイス。そして、「前持って肉の両面を固めておくと中の肉汁が逃げないんだよ」「サラダオイルは使うなよ。肉の香ばしさがなくなるからな」と話す。そして一緒に肉を焼き、技を伝授した。

 山岡の計らいでもう一度大南に肉を焼いた料理人。大南は肉の味を褒め、自身が育てた最高の肉を贈ったのだった。クリスマスのメインディッシュにステーキを考えている人は、名人伝助の焼き方をぜひ参考にしてみてほしい。(3巻)

『美味しんぼ』を読んでクリスマスを楽しもう

 家で過ごすことが多くなりそうな今年のクリスマス。『美味しんぼ』を手に取りながら、とっておきのクリスマス料理にチャレンジしてみるのもいいかもしれない。

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