『SLAM DUNK』木暮vs宮益、神奈川最強の「メガネのシックスマン」はどっち?

『SLAM DUNK』木暮vs宮益どっちが強い?

バスケに対する情熱と努力

 そうなってくると、もはや甲乙つけ難くなってきたのが本音である。それぞれのチーム事情のなかで、それぞれのチームが必要としているベストなシックスマンが木暮であり、宮益なのである。なので、もし木暮と宮益がチームを入れ替えたらどうなるのかを考えてみたが、おそらく木暮は海南では出番はないであろうと思う。ワンチャン武藤の代わりに出ることはあるのかと思いつつ、そこで力を発揮できるかというと……。

 一方宮益だが、これは意外と湘北では出番がありそうな気がする。湘北の3ポインター、三井は誰もが知っているようにとにかくいろんな意味で安定しないし、体力面で不安を抱えている。三井の能力をフルで活かすために宮益を効果的に使って三井を休ませることくらい、安西先生なら普通にやるだろう。また、同様に安定しない桜木の代わりに宮益を入れて、三井と2枚でアウトサイドから狙わせるやり方もできる。ゴール下に赤木がいれば、なんの躊躇いもなくシュートを撃ち続けることはできるだろう。

問題は宮益があのアクの強すぎるメンツのなかで存在感を発揮できるか……だが、ある意味あの5人に負けないビジュアルインパクトを持った宮益なら、一緒に並んでいても埋もれることもなく、むしろ強烈なインパクトを残すのではないかと思う。

 以上のことから、使いこなせる前提であるならば、明確な武器を持つ宮益のほうが戦術的にはシックスマンとして使い勝手がよさそうである。だが、木暮は湘北ならではの、湘北に必要不可欠な存在として、唯一無二のシックスマンだ。木暮なしの湘北なんてあり得ないし、木暮がいなかったら赤木と三井、そして桜木が一緒にバスケをすることはなかっただろう。バスケに対する情熱と努力、そして人間性でシックスマンのポジションを掴んだメガネのふたりは、煌びやかなロースターたちと同様にいつまでも人々の心に残ることだろう。

■関口裕一(せきぐち ゆういち)
スポーツライター。スポーツ・ライフスタイル・ウェブマガジン『MELOS(メロス)』などを中心に、芸能、ゲーム、モノ関係の媒体で執筆。他に2.5次元舞台のビジュアル撮影のディレクションも担当。

■書籍情報
『SLAM DUNK 新装再編版(8)』
井上雄彦 著
価格:本体650円+税
出版社:集英社
公式サイト

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