古川雄大はYouTube好きの健康オタクだった? 初書籍『Shine』で明かされる、新時代俳優の横顔
Part1「ミュージカル編」、Part2「アーティスト編」、Part3「映像編」にて、本作は俳優として、そしてアーティストとしての古川を映していく。各章の終わりには、最新の仕事をインタビューや連載特写を用いてレポート。連載開始当初、古川が出演するミュージカル『エリザベート』が上演されていたが、長きに渡って宝塚版・東宝版の同歌劇の演出を担当し、古川にも多大なる影響を与えた小池修一郎とのスペシャル対談も収録されている。2010年に古川が出演したミュージカル『ファントム』を小池が見に行ったことをきっかけに、2人が出会ってから10年。『エリザベート』初演の頃は怒られてばっかりだったという古川の俳優人生の大半を見てきた小池だからこそ感じる彼の成長が対談から垣間見える。
そして最後のPart4「オフ編」では、一個人としての古川に迫る。朝の情報番組『あさイチ』(NHK総合/6月26日放送回)に出演した際には、ミュージカルのみならず『エール』でも共演している先輩の山崎育三郎から「御手洗先生で雄大を知った人は、普段の雄大をみると驚くと思う」と言われるほど、堂々とした振る舞いとは裏腹に真面目で内向的な性格の古川。ストイックで普段は喉を気遣いお酒も飲まず、舞台が始まると外には出ない。自炊を徹底して行い、ジムでのトレーニングやプロテイン、サプリメントなどの定期的な摂取……いわゆる“健康オタク”な彼の一面も見えてくる。
「寝る準備をしてベッドに入ってから、1、2時間くらいYouTubeを見たりしながらゴロゴロしている時間が最高に好きです(笑)。」
個人的に面白かったのは、この一文。知的で高貴な雰囲気溢れる役柄を演じることの多い古川だが、意外にもプライベートは良い意味で“普通”なことが分かり、親しみやすさを感じる人も多いのではないだろうか。最後には好きな映画や食べ物という定番の質問から、外出時の必需品や自分が思うチャームポイントまで、古川をもっと知るための50の質問と回答が掲載されている。
『日経エンタテインメント!』での連載とともに、更なる飛躍を遂げた古川。書籍でも「この1年は僕の決めた『古川雄大3カ年計画』のちょうど1年目と重なっていました」と語っているが、本人にとっても思い入れのある年となったに違いない。2020年8月現在、古川は33歳。今も新たな挑戦を続ける彼は、3カ年計画が終わる頃にどんな俳優、そしてアーティストに成長しているのだろうか。未来図に思いを馳せながら、新時代俳優・古川雄大の過去と現在地を捉えていきたい。
■苫とり子
フリーライター/1995年、岡山県出身。中学・高校と芸能事務所で演劇・歌のレッスンを受けていた。現在はエンタメ全般のコラムやイベントのレポートやインタビュー記事を執筆している。Twitter:@bonoborico
■書誌情報
『Shine~新時代俳優の全身と前進~』
著者:古川雄大
出版社:日経BP
価格:2,750円(税込)
発行日:2020年7月29日
https://www.nikkeibp.co.jp/atclpubmkt/book/20/279630/