つづ井さんが語る、HAPPYなオタク人生のルーツ 「行動力やバイタリティは、母の影響が強いかも」

つづ井さんが語る、オタク人生のルーツ

 やりたいことを思い切りやれば、日常はいつだってHAPPYになる。そんな気づきをくれる、絵日記=エッセイ漫画がある。漫画家・つづ井さんが描く「つづ井さん」シリーズだ。

 推しキャラの身長データを入手すれば壁にマスキングテープを貼ってリアリティを楽しんだり、クリスマスにはいつもの仲間たち4人と、架空の恋人からもらったていのプレゼントをプレゼンしてみたり……。そこで描かれるのは、最高にバカバカしいけれど、とっても大切な「自分で自分を楽しませる」という自家発電型の幸せ。

 『腐女子のつづ井さん』からスタートしたつづ井さんの絵日記は、腐女子(BL)というジャンルにとらわれず“オタク魂”で明るく生きることを伝えようと『裸一貫!つづ井さん』にタイトルも一新。さらに、つづ井さんが「未婚で」「パートナーがおらず」「恋愛経験が極端に少ない」「女性」であることをネタにはしない、「自虐をしないと決めた」と綴るnote記事も大きな反響を呼んだ。

 そんなつづ井さんに今回インタビューを依頼。つづ井さんが、どうして“つづ井さん”になったのか。ルーツを探るべく、昔なつかしの「プロフィール帳」をやってもらうことに。つづ井さんならきっと楽しんでもらえると信じてお願いしたのだが、その反応やいかに!?(佐藤結衣)

【つづ井さんプロフィール帳1】
本気遊びのモチベーションは「度肝を抜きたい」から

つづ井『裸一貫! つづ井さん(1)』(文藝春秋)

――本日はよろしくお願いします。すみません、プロフィール帳を……わ! すごい!

つづ井さん:こちらこそ、よろしくお願いします。プロフィール帳、なつかしくて、楽しかったです! 実はちょうど友人のMちゃんと「今度みんなで遊ぶときはプロフィール帳を書き合おう」って話をしてたんですよ。

――なんと! うれしいです。今回は、このプロフィール帳をヒントに、つづ井さんがつづ井さんたる理由を探りたいと思っていまして。あ、身長は「ないしょ」なんですね。ファンのみなさんが、マスキングテープ貼り(※1)ができるかなと期待しましたが!

つづいさん:アハハ。すみません。けっこう大きめなので(笑)。

※1 推しの身長のマスキングテープ貼り

――以前、コラボTシャツを販売されたとき「つづ井さんのリアルサイズ」というのも話題になっていましたね。

つづ井さん:あれもけっこうドキドキで。体格の良さがバレちゃうんじゃないかなって。

――私も絵日記を楽しみにしている一ファンとして、つづ井さんのことをいろいろ知りたい一方で、絵日記で描かれないところまで詮索したくない葛藤がありまして……「ないしょ」であることも、貴重な情報です。もうつづ井さんには、元気でいてくれればそれでいいとさえ思ってまして。

つづ井さん:わー、ありがとうございます。推されてる(笑)。

――はい。なので、いろいろできる範囲でお話を聞かせてください。(似ている人の欄にある)お母さんに似ているんですね。

つづ井さん:はい。お母さんとお姉ちゃんに似てるってよく言われます。チャームポイントの鼻は自分の顔の中で、デカくて、ガッと存在感があるんで。

――好きな給食は白米!

つづ井さん:おかずがなくても全然いけますし。今もたくさん食べます。元気いっぱいです。

――最近は筋トレを頑張っているんですか?

つづ井さん:そうなんです。筋トレというか、ストレッチ……じゃなくて、フィットネスじゃなくて……言葉が出てこなくてすみません。YouTubeのHANDCLAPとか、「アラサー本気バージョン」みたいなダンス動画を見て体を動かしています。

――なるほど、宅トレですね。今、願いが叶うなら「外で遊びたい」と。

つづ井さん:やっぱり外出を控えていたので、友人たちともなかなか会えずにいて……。今、友人たちと「ちょっとしたパーティーをやりたいね」って言ってるんですよ。よく「ちょっとしたパーティーにも着られますよ」とか「ちょっとしたパーティーに持って行くと素敵」って言われて買ったドレスとかバッグとか小物ってあるじゃないですか。でも「ちょっとしたパーティーってないよね?」って話になったので、レンタルスペース借りて、メイクとかちゃんとしてやろうよ、と。でも、それもまだしばらくできないので……それで、近々リモートですることにしました。

――アハハ、パーティーをリモートで!?

つづ井さん:結局リモートだと、自宅で全員着飾るだけになるんですけど(笑)。

――その様子も、いつか絵日記で楽しめるでしょうか?

つづ井さん:どうでしょうかね。楽しかったら絵日記にすると思うんですけど、多分楽しいと思うから……なると思います!

――みなさんで遊んだけど、絵日記にならなかった思い出もあるんですか?

つづ井さん:あります、あります。けっこう身バレに繋がりそうで、絵日記にできなかったものも。前に、橘の誕生日を張り切って2カ月前から準備し始めたんですよ。「橘、お誕生日おめでとー」っていう5秒くらいの動画を集めて、1本の動画を作ることにしたんです。私の友だちとか家族とかにも頼んで。

――さすがの巻き込み力ですね!

つづ井さん:母の友だちの全然知らないおじさんがゴルフの打ちっぱなしで、1本パーンと打った後に振り向いて「橘、お誕生日おめでとう」とか。本当、橘からしたら全然知らない人たちから祝われる謎の動画になっちゃったんですよ。なのに橘が、それ見て泣いちゃって!

――まさかの!

つづ井さん:「こんなに人に祝われたことないから嬉しくて」って泣いちゃったんですよ。感激してくれたならよかったけど……でも、あまりにたくさんの人を巻き込みすぎたので、くわしく絵日記にしちゃったら身バレに繋がるかなと思ってやめました。

――なるほど。いや、さすがです。つづ井さんたちの誕生日を祝う本気度(※2)に毎回笑ってしまいます。それほどのモチベーションはどこからきているのでしょうか。

つづ井さん:やっぱり、お互いの度肝を抜きたいっていう(笑)。誕生日とかイベントは「チャンス」みたいな。友だちの誕生日を祝いたいっていうよりは、誕生日にかこつけて、誕生日っていう口実のもとやりたいことをやってる感じなんです。

※2 オカザキさんの誕生日

――度肝を抜きたい! だから、私たちの「誕生日のお祝い」という概念にハマらない展開になるんですね。“面白いこと”のヒントになるようなものをいつも探していらっしゃるんですか?

つづ井さん:能動的に探しているというよりは、パッと思いついたものを「やりたいね」ってお互いに言っています。みんなもすぐに、かつ工夫してやってくれるのが、ありがたいですね。

――つづ井さんのほうが「やられた」「くやしい」っていうシーンもありますしね。そうしたエネルギー量の近いお友だちと出会えたのも、さらに関係性が続いているのもすごいことですよね。

つづ井さん:ありがたいですね。みんな愛想をつかさずにいてくれて。

――個人的には、架空の恋人からもらったプレゼントをプレゼンしあう“恋人がいそうなクリスマス選手権”(※3)の回が大好きなんですが。

つづ井さん:あの年が楽しすぎて、その次の年は「もう絶対去年を超えられないから、今年は何もしないでおこう」って言って、何もしなかったんですよ。

――思い出を永遠に残したいので、逆に最高潮でやめようという、マッドサイエンティスト(※4)の思想ですね(笑)。

つづ井さん:キレイな思い出のままにしたくて(笑)。でも、本当に普通に集まって、おそろいのパーカー作って……。

――もう、パーカー作るのが普通レベルなんですね。

つづ井:はい。でも、確かそのさらに次の年は「やっぱり楽しかったよね。もう1回しようか」って、第2回をやったんですよ。まだ絵日記には描いていないんですけど。

――なんと! そちらも楽しみにしています。

つづ井さん:ありがとうございます。みんなそれぞれ心境の変化とか成長もあって、今だったら別の形でもやれるんじゃないかっていう話になりました。

――あ、第1回は手探りだったところもあったと?

つづ井さん:そうなんですよ! どこまでやっていいかってわかった上で、今ならもっとできるよねって。第1回のときって初対面だった人もいたので。

――そうでした、そうでした。Mちゃんが「私たちのことは“前世からの友人”と思っているよ」といって……。初対面ということを、すっかり忘れてしまうくらいの盛り上がりでしたね。

つづ井さん:アハハハ。あれは怖かった……。

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