東野圭吾『クスノキの番人』は超高齢社会・日本に適した作品? 3月期月間ベストセラー時評

3月期月間ベストセラー時評

3月期月間ベストセラー【総合】ランキング(トーハン調べ)
1位『オーバーロード(14) 滅国の魔女』丸山くがね KADOKAWA
2位『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ 新潮社
3位『鬼滅の刃 しあわせの花』吾峠呼世晴 矢島綾 集英社
4位『鬼滅の刃 片羽の蝶』吾峠呼世晴 矢島綾 集英社
5位『クスノキの番人』東野圭吾 実業之日本社
6位『転生したらスライムだった件(16)』伏瀬 マイクロマガジン社
7位『The WORLD SEIKYO ワールドセイキョウ 2020年春号』聖教新聞社
8位『乃木坂46 与田祐希2nd写真集 無口な時間』与田祐希 光文社
9位『ケーキの切れない非行少年たち』宮口幸治 新潮社
10位『流人道中記(上・下)』浅田次郎 中央公論新社
11位『こども六法』山崎聡一郎/伊藤ハムスター(イラスト) 弘文堂
12位『ゴミの島のサバイバル』文:ゴムドリco/絵:韓賢東 朝日新聞出版
13位『小説 映画ドラえもん のび太の新恐竜』涌井学(著) 小学館
14位『どっちが強い!? クロアナグマvsミツアナグマ ナメたら危険!小型猛獣』今泉忠明 監修 KADOKAWA
15位『熱源』川越宗一 文藝春秋
16位『空気を読む脳』中野信子 講談社
17位『田中みな実 1st写真集「Sincerely yours…」』田中みな実 宝島社
18位『人は、なぜ他人を許せないのか?』中野信子 アスコム
19位『話すチカラ』齋藤孝、安住紳一郎 ダイヤモンド社
20位『はじめてのやせ筋トレ』とがわ愛、坂井建雄 監修 KADOKAWA

 2020年3月期の月刊ベストセラー第5位にランクインした東野圭吾『クスノキの番人』は、東野圭吾らしい、リーダビリティの高さと泣かせる展開が特徴のヒューマンドラマである。

あらすじ

 工場の非正規労働者だった主人公・玲斗が、クビになった工場に盗みに入るも逮捕され、会ったこともない伯母・千舟に引き取られる。玲斗は千舟から「願い事が叶う」と言われているパワースポット・月郷神社の「クスノキ」の番人をしろと命じられる。どうもこのクスノキには隠された秘密、超常的な力が本当にあるようで、新月と満月の夜を中心に、夜な夜な人が「予約制」で訪れる。

 果たしてクスノキの持つ力とはいったいどんなものなのか?
 なぜ玲斗はクスノキの番人を託されたのか?
 フラフラと生きてきた玲斗は自分の生きる道を見つけることができるのだろうか?

 ――というのが本作のあらすじだ。

 ネタバレをなるべく避け、細部はボカして語ろうと思うものの、まったく触れずに論じるのは難しいため、気になる方は以下は読まないでいただきたい。

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