2010年代に“女性声優”が増えた理由とは? 「声優名鑑」掲載人数の変遷から考察

「声優名鑑」に見る業界の変化

「声優名鑑」が示す、業界の変化

 もともとは放送ナレーターや俳優が掛け持ちでやっていた声優という仕事が、日本ではアニメ文化の興隆とともに徐々に専門分化したことで、世界的にも類をみない専門職として認知されるに至った。2000年以降のアニメ文化、2010年以降のスマホゲームの興隆によって、彼らの活躍はますます陽の目を見ていると言えるだろう。『声優名鑑』の掲載人数の増加は、その証ともいえる。

 一方、新人声優の増加数に男女差が生まれており、学校卒業したての若年層ばかりが「新人」としてファンに認知される、というわけでもないのがポイントでもあるだろう。IPコンテンツや作品の制作時に、様々なビジネススキームを取り込み、産業ビジネスが多チャンネル化し、声優が「タレント化」してきたことで声優人口は一気に増大した。一芸に秀でたタレントやミュージシャンを起用する機会が増えたのは、その顕著な例にすぎないが、今回付録となった声優名鑑2020」には、その影響がダイレクトに反映されている。こうした状況は、まだまだ長く続くのではないだろうか。

■草野虹
福島、いわき、ロックの育ち。『Belong Media』『MEETIA』や音楽ブログなど、様々な音楽サイトに書き手/投稿者として参加、現在はインディーミュージックサイトのindiegrabにインタビュアーとして参画中。

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