『神達に拾われた男』など「なろう」作品が上位に 文芸書週間ランキング考察

文芸書ランキングに「なろう」作品

 さらに今月は、ライトノベルからも4作がランクイン。2位『神達に拾われた男(8)』(Roy)と8位『魔導具師ダリヤはうつむかない 今日から自由な職人ライフ(4)』(甘岸久弥)はどちらも投稿サイト「小説家になろう」で連載されていた作品だ。累計100万部を突破した『神達に拾われた男』は、寝ているあいだにくしゃみが原因で死んでしまった38歳のSE・竹林竜馬が、異世界を生きる8歳の少年に魂をうつされるという、いわゆる異世界転生モノ。生前、父親から叩きこまれた武術や、コツコツ努力する性格を活かして、“スライム研究”に没頭しつつ、問題を解決していく主人公。自分にとってあたりまえすぎる知見も、披露する場所が変われば思いもよらぬ形で花開くこともある、という意味では現実もフィクションの世界も同じということか。

 同作はアニメ化企画も進行中とのことで、次に新刊が発売されたときには1位もありうるかも? 注目である。

■立花もも◎1984年、愛知県生まれ。ライター。ダ・ヴィンチ編集部勤務を経て、フリーランスに。文芸・エンタメを中心に執筆。橘もも名義で小説執筆も行い、現在「リアルサウンドブック」にて『婚活迷子、お助けします。』連載中。

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