『鬼滅の刃』“痣の発現”が意味するものは? 第189話、蛇柱・伊黒が示した“心の強さ”

 『鬼滅の刃』第189話(『週刊少年ジャンプ』2020年6・7合併号)では、主に柱たちと無惨との死闘が描かれた。

『週刊少年ジャンプ 2020年6・7合併号』

 前話に引き続き、無惨との死闘の中、柱たちは苦戦を強いられる。夜明けまでは1時間14分だが、柱たちの体は持ちそうにない状況。そこへ突然、血清のようなものを備えた猫が現れ、柱たちにそれを発射する。満身創痍の状態から抜け出しそうな中、伊黒は自分が無惨との死闘で役に立てていないことを悔やみ、自身の生い立ちを思い出す。そして、伊黒にも痣が発現したのだ。

 痣の発現は、本作の物語においてどのような意味を持つのか。痣そのものについては、「『鬼滅の刃』“始まりの呼吸法”とは? 第186話で明かされた継国縁壱の過去」の記事で説明したが、今回は「痣の発現と克己心について」を考察したい。

 まず、少年ジャンプのバトルマンガにおいては、登場人物が戦いのなかで“戦闘能力を鍛えつつ”相手の攻防を見抜き、勝利するという例は多い。『鬼滅の刃』もそこに当てはまる部分はある。

 しかし、『鬼滅の刃』においては、正義側である人間の鬼殺隊と悪側である鬼との関係性は単純ではなく、ただ戦闘能力の高さだけが勝敗を分けるわけではない。なぜなら、鬼殺隊と鬼との関係性は表裏一体と言えるからだ。

 鬼になることは、作中では人間のときの苦悩を乗り越えるため、あるいはさらなる戦闘能力を手にするために、魂を売ることに他ならない。そして、鬼殺隊の面々が鬼になる誘惑に負け、結果として死を免れるというケースさえあるのだ。累との死闘で誘惑を拒否した炭治郎。猗窩座との戦いで誘惑を拒否したことで敗れた煉獄杏寿郎。日の呼吸法を修得した継国縁壱に嫉妬し、無惨に魂を売った継国巌勝(黒死牟)。黒死牟と柱たちとの戦闘において誘惑には乗らず黒死牟を倒した悲鳴嶼。彼らの戦いでは、物理的な戦闘シーンだけではなく、“悪に打ち勝つ心”が描かれていた。

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