第40回日本SF大賞・最終候補作が決定 『なめらかな世界と、その敵』など5作が候補に

第40回日本SF大賞・最終候補作が決定 『なめらかな世界と、その敵』など5作が候補に

 一般社団法人日本SF作家クラブ主催による、第40回日本SF大賞の最終候補作が決定した。

 推薦(エントリー)作品の中から、日本SF作家クラブ会員の投票により、次の5作品が最終候補作となった。
・『天冥の標』全10巻 小川一水(早川書房)
・『なめらかな世界と、その敵』 伴名練(早川書房)
・『年刊日本SF傑作選』全12巻 大森望・日下三蔵編(東京創元社)
・『宿借りの星』 酉島伝法(東京創元社)
・『零號琴』 飛浩隆(早川書房)

 『天冥の標』(てんめいのしるべ)は小川一水(いっすい)によって描かれた、全10部からなる巨篇シリーズ。2010年代の日本SFを代表するとも言われ、時間、空間を自在に行き来する壮大なスケールの物語が楽しめる。シリーズ開始から10年の今年、完結編が発売された。

 伴名練(はんな・れん)は、満を辞しての単行本『なめらかな世界と、その敵』の発売だった。発売後即重版が決定し、瞬く間にSFファンのみならず本好きの話題を独占した。表題作や書き下ろし『ひかりより速く、ゆるやかに』など6作品が楽しめる短編集である。『かぐや様は告らせたい』などで人気の漫画家、赤坂アカが装画を手がけたことや、印税がすべて京都アニメーションに寄付されることなどでも話題になった。

 今年最終巻が発売された、《年刊日本SF傑作選》シリーズも最終候補作に選ばれた。2007年から今年まで、12年間(12巻)発売されており、翻訳家である大森望、SF評論家の日下三蔵の2氏が編者となって、傑作SF作品を年度版として1冊にまとめたシリーズである。今年の最終候補作の著者である、小川、伴名、酉島、飛の4名の著作も、この傑作選に選ばれたことがある。

 『宿借りの星』は、第2回創元SF短編賞を受賞した著者・酉島伝法(とりしま・でんぽう)が挑んだ初の長編作品である。特徴的な造語など、独特の言語センスで読者を惹きつけている。表紙絵、挿絵ともに酉島本人が手がけており、酉島ワールドにたっぷりと浸れる作品となっている。

 すでに日本SF大賞を2度受賞し、寡作ながらSFファンから圧倒的な人気を誇る飛浩隆(とび・ひろたか)の、16年ぶりの長編『零號琴』(れいごうきん)がノミネート。自身初の連載小説であり、連載終了からはすでに7年が過ぎている。改稿を重ね、ついに完成した大作である。

 大賞選考委員を務めるのは、声優・文筆家として活躍する池澤春菜、漫画家・白井弓子、評論家・高槻真樹、小説家の森岡浩之と三雲岳斗の5名。選考会と結果発表は2020年2月下旬、贈賞式は4月17日(金)の予定だ。

 なお昨年の第39回日本SF大賞には、山尾悠子『飛ぶ孔雀』、円城塔『文字渦』の2作が選ばれている。

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