ネコ漫画、飼い主が共感する“あるある”がトレンド連発 SNS発漫画、キジネコ様、キュルガから人気を考察
インターネットの普及とともに急増したネコ漫画

猫派か、犬派か。無粋だと分かってはいるけれども、人々の間で繰り広げられてきた議論。筆者が子供の頃は犬派が多かったが、時代とともに猫好きの割合がどんどん増えているように感じる。
その中で台頭してきたのが、ネコ漫画だ。原点となったのは、1984年から『モーニング』(講談社)で5年間連載されていた小林まことの『What's Michael?』。踊る猫マイケルと人間たちの交流をコミカルに描いたネコ漫画で、アニメやゲームに展開されるなど、大ヒットとなった。
2000年代に突入すると、インターネットの普及とともにネコ漫画が急増。例えば、人間の家で家政婦として働く猫村さんの日常を綴ったほしよりこの『きょうの猫村さん』(マガジンハウス)はネット上での連載が話題を呼び、2005年から発行されている単行本が大ベストセラーに。2020年には松重豊主演でまさかの実写ドラマ化を果たした。
他にも、鴻池剛の『鴻池剛と猫のぽんた ニャアアアン!』(KADOKAWA)、深谷かほるの『夜廻り猫』(講談社)、卵山玉子の『うちの猫がまた変なことしてる』(KADOKAWA)、桜井海の『おじさまと猫』(スクウェア・エニックス)、松本ひで吉の『犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい』(講談社)などがネットから誕生。今やネコ漫画は一大ジャンルを築いている。
そして最近話題を集めているのが、『今日もネコ様の圧が強い』(KADOKAWA)だ。本作は、マイペースで高飛車な2匹の“ネコ様”と、彼らを溺愛する飼い主のすれ違いをコミカルに描いたお話。作者のうぐいす歌子がX(旧Twitter)で投稿を開始したところ、瞬く間に評判となり、1月8日には待望の単行本が発売された。発売から1カ月ですでに重版が相次いでいる。
芸能界屈指の猫好きとして知られるSnow Manの佐久間大介も自身のXで「やばい!マジのガチで最高の本見つけた!!!」と興奮気味にポストするほど、愛猫家たちを唸らせている最大の理由はそのリアルな猫の描写だろう。本作には、キジネコ様とクロネコ様という2匹の猫が登場する。どちらも人間を見下していて、飼い主に対しても横柄。
やばい!マジのガチで最高の本見つけた!!!
こちらめちゃくちゃ最高!!!
特に猫飼ってる人なら自分家の猫と違くても死ぬほど共感できるw
声出して笑いましたw#今日もネコ様の圧が強い pic.twitter.com/kp7aVvpjeo— 佐久間大介 (@SAK_SAK_SAKUMA) February 1, 2025
人間の都合などお構いなしに、真夜中だろうが早朝だろうが、顔をバシバシと叩いて起こしてきたり、ベッドで寝たい日は「人間は床で寝るといいよ」と無言で圧をかけてきたり……。珍しくお腹を見せて撫でて欲しそうにしていると思いきや、触ると反撃してくるし、地震がくると「おまえの仕業か」と飼い主を責めるような目で見てくる。正直、理不尽極まりないが、猫好きはそこが堪らなく愛しいのだ。
おはよーーーーーーーーーッ!!! pic.twitter.com/32cNfZlcGU
— キジネコ様 (@Motidukineko) August 19, 2024
「人間は6時間しか寝ていないのか…?死ぬのか…?」「人間…。また何か食べているのか?私には『おやつなし』と言っておきながら…」と猫目線で人間の行動にツッコミを入れているところも見どころ。たしかに人間は働きすぎだし、猫の健康面を考えておやつを制限するくせに自分には甘々だ。普段何気なく取っている行動も、猫からすると不可解に見えているのだろう。