HANA、羊文学、DISH//、EXILE ATSUSHI、LANA、Tele……注目新譜6作をレビュー

New Releases In Focus

 毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回はHANA「ROSE」、羊文学「未来地図2025」、DISH//「群青飛行」、EXILE ATSUSHI「Love Thang」、LANA「HERE」、Tele「DNA」の6作品をピックアップした。(編集部)

HANA「ROSE」

 オーディション番組『No No Girls』(Hulu/YouTube)から始動した7人組ガールズグループのデビューシングル。作詞作曲はちゃんみなを筆頭とするクリエイターチームで、HIPHOPをベースにラテン音楽や歌謡曲の魅力を随所に差し込んでいく楽曲構成、少しの毒と野心が混ざる歌詞世界はまさしくちゃんみな印。オーディション時から長らく彼女たちを支えてきたプロデューサー・ちゃんみなが心血を注いだ一曲であり、ちゃんみなやSKY-HIの精神に共鳴してきた彼女たちが精一杯モノにしようとしている世界観だとも言える。HANAのキャリアが今後どうなろうと、ここが原点、と何度でも歌われるのだろう。ただクールなだけじゃない、ポップスとしての強度はすでに満点。(石井)

HANA / ROSE -Music Video-

羊文学「未来地図2025」

羊文学 - 未来地図2025【TAKANAWA GATEWAY CITY 未来体験シアター 3.27~上映中

 「声」(ドラマ『119エマージェンシーコール』主題歌)に続く2025年第2弾となる新曲「未来地図2025」の最大のポイントは、打ち込みをメインにしたトラックが採用されていること(ビートメイクには大井一彌が参加)。イントロはビートとピアノがメインなので、これまでの羊文学の音像とはまったく違う。そこで紡がれるのは、「この困難な時代をどう生きるか?」という大きなテーマを含んだリリック。言葉自体にメロディが宿り、それがそのまま曲になっていくのだ。3分20秒過ぎに初めて大きな音でギターが鳴り、高揚感が一気に上がる。そのなかで力強く響く〈ずっと、ずっとずっとここから/どんな苦しい夜も越えてゆけるように/祈り続けている〉というフレーズに心を打たれない人はいないだろう。明らかに新局面を迎えた羊文学、きたるべきアルバムが本当に楽しみだ。(森)

DISH//「群青飛行」

群青飛行

 最新EP『群青飛行』の表題曲。「いつまでも未完成、だからこそ最後まで青春だ」というのは作品に付いたキャッチコピーで、この曲は特にそのテーマを意識した印象。一気に駆け出していくイントロや、メンバー全員が声を張り上げるコーラスは青春パンクのよう。北村匠海(Vo/Gt)の歌詞も、10代を振り返る立場ではなく、あくまで現役目線。照れていては絶対に書けないパンチラインが満載である。複雑なストーリー展開や繊細な心の機微を備えた曲ではないが、突き抜けたシンプルさはライブ現場で大きな力を生むだろう。ポップソングやバラードも得意なDISH//にとって、ここまで頭を空っぽにできる痛快ロックナンバーは珍しい。(石井)

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