HANA、羊文学、DISH//、EXILE ATSUSHI、LANA、Tele……注目新譜6作をレビュー
EXLE ATSUSHI「Love Thang」
2023年から体調不良のために活動休止、去年の秋に“復活宣言”を発表したEXILE ATSUSHIから約2年ぶりの新曲「Love Thang」が届けられた。「それは愛のことだよ」という意味が込められた曲名通り、テーマはずばり“愛”。ATSUSHI自身が手がけたリリックには〈運命が動き出す〉〈恋の魔法溢れ出す〉といったリリックが散りばめられている。幅広いリスナーが楽しめる“恋の始まりソング”ではあるのだが、そこにはおそらく、彼自身の本格的な再スタートに対する想いも込められているのだろう。トラックの基調は、80’sのディスコ〜ソウルミュージックのエッセンス。抑制を利かせながらしなやかにグルーヴするボーカルも素晴らしく、ここから始まる新たなキャリアに胸をときめかせるリスナーも多いはずだ。(森)
LANA「HERE」
「TURN IT UP (feat. Candee & ZOT on the WAVE)」「BASH BASH (feat. JP THE WAVY & Awich)」などのヒットチューンで知名度を高め、4月1日にはフィーメールラッパーとして最年少の20歳で日本武道館公演を成功させるなど、〈25までになる日本のDIVA〉(「For Life」より)というリリック通りのキャリアを疾走しているLANA。アルバム『20』収録曲「HERE」は、傷や孤独を抱える人たちに手を差し伸べ続ける彼女の姿勢がそのまま表れた楽曲だ。美しくて繊細なピアノのリフと凛としたビート、鋭利なストリングスを軸にしたトラックのなかで語られるのは、精神的なクライシスを抱えながら生きていた10代の記憶、そして、〈もっと声を聴かせて/ねぇみんな愛してるって言って?〉という切実な願い。あまりにも真摯で誠実なこの曲は、LANAが強く支持される理由のすべてが刻まれている。(森)
Tele「DNA」
4月23日に発売されるアルバム『残像の愛し方、或いはそれによって産み落ちた自身の歪さを、受け入れる為に僕たちが過ごす寄る辺の無い幾つかの日々について。』からの先行配信。やたら歪んだドラムとギターから始まるので、「Teleがガレージパンク?」と驚いてしまうが、ふわふわした谷口喜多朗の歌が入るとポップミュージックとして、もしくは謎めくラブソングとして響いてくるから不思議である。DTMで作ったものをバンドで共有するのではなく、まずバンドで鳴らしたものを再度DTMで練り上げる作業だろうか。ダイナミックなギターの見せ場が満載なのに、後半はごくパーソナルなベッドルームミュージックに着地。なんとも面白く、底知れない曲だ。(石井)


























