草彅剛と香取慎吾、兄弟のような関係性 久しぶりの共演から健康への気遣いまで

 草彅剛がYouTubeチャンネルの近況報告動画にて、香取慎吾と久しぶりに連続ドラマで共演した感想を述べた。12月から1月にかけて、主演舞台『ヴェニスの商人』に奮闘していた草彅。普段、セリフの内容に相違がなければ多少言い回しにブレがあっても気にせずに演技を続けているという草彅だが、今回の作品についてはそうもいかなかったという。シェイクスピアが記したセリフを忠実に訳していることから、助詞や接続詞を飛ばしてしまうとすかさず指摘が入ったそうで、「『ああ、その通りだ』とか思って」と苦笑い。基本に立ち返るような舞台だったと続けた。

【近況報告】主演舞台ついに完走しました!慎吾ちゃんと〇年振りに共演!!

 また、草彅が演じたユダヤ人の高利貸し・シャイロックは、これまで「稀代の悪役」とも言われてきた役どころ。しかし、今回の『ヴェニスの商人』では「本当に悪役なのか?」と観る者に疑問を投げかけるキャラクターになっているところに、今この時代に上演される意義を感じる仕上がりに。人種や職業に対する差別的な扱いに憤り、理不尽な世の中を呪い、そして運命に抗おうとするシャイロックを草彅が全身全霊を注いで熱演。そのほとばしるエネルギーに圧倒されたことを思い出す。

 しかも、今作ではそれぞれの出番ではないシーンでも、キャストがステージの後方に座ってスタンバイし続けるという特殊な演出方法をとっていた。上演中、常に観客の前にいるという集中力を要する作品でもあった。そんな体力も気力も使う舞台の直後に、草彅がゲスト出演した香取の主演ドラマ『日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった』(フジテレビ系/以下、『日本一の最低男』)第1話の撮影が控えていたというから驚きだ。

 草彅は「友情出演じゃなかったら出なかったね」と思わず本音をこぼす。舞台の本番が終わると、そのまま移動車に乗り込み、撮影現場へ。しかし、そこでも渋滞に巻き込まれて1時間も車に揺られるという試練が待ち受けていた。「これ、本当に友情出演だなって。普通は断るね、友情だね。友情がなかったら出れない!」と繰り返す草彅の表情からも、決して容易なことではなかったことが窺える。

 たしかに考えてみれば、数百年前を生きた高利貸し・シャイロックから、ほんの少しだけリアルな草彅剛に戻り、そして2023年に生きたドラマ『罠の戦争』(カンテレ/フジテレビ系)の鷲津亨へと気持ちを切り替えなければならないのだ。よくよく考えてみると、常人にできることではない。

 そして、オンエアされた『日本一の最低男』を確認すると、そんな苦悩など微塵も感じさせない姿があったから流石だ。香取演じる一平と、草彅演じる鷲津が握手するシーンは、これだけ長年の友情があって実現した場面にもかかわらず、ふたりのあいだに「初めまして」の壁がしっかりと見えるようで、思わず唸らされた。

 ドラマの現場で再会した香取について「役としての関係なので、いつもとちょっと違う関係なんだけど。でも、いつもの慎吾ちゃんだなみたいな感じもあるし。その微妙な感じを楽しめたというか」「『慎吾、芝居してるよ~』みたいな」とにこやかに語る草彅。さらに「こっちも役としてなので、『つよぽん、芝居してるよ!』って思われてるのかなとか思ったり(笑)」と少々照れくささもにじませながら、共演した感想を述べた。

 もちろん、それだけ草彅が大変な思いをして現場に駆けつけたということは、香取も知っていたようだ。ふたりが1995年より続けているラジオ『ShinTsuyo POWER SPLASH』(bayfm)1月19日放送回でもその話題になると、香取は「そこまで来てくれて鷲津の格好で、まず僕に言ってきたのが『友情がなかったら絶対出演してない。これぞ本当の友情出演だ』と。いや、本当感謝ですよ。嬉しかったです、本当に」と、あらためて感謝の言葉を述べた。

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