ZANPA、ミニアルバム『YOU&ME』リリイベに潜入! メンバーコメントとともに紐解く“SUPER KAYOU”の求心力

ZANPA『YOU&ME』リリイベ潜入レポート

ZANPA、ミニアルバム『YOU&ME』発売当日のイベントに潜入!

ZANPAイベント写真(撮影=Susie)

 演歌歌謡曲×J-POPの融合から生まれる、新しい音楽シーンの潮流。その象徴的なアーティストであるZANPA(デビュー時は斬波)は、2014年からその活動をスタート。YOMA・孝介・航・義文からなる4人体制になってからは、“新感覚歌謡男子”を掲げ、ジャンル横断的な楽曲群を世に送り出してきた。それは、“En-POP”と名付けられ、“SUPER KAYOU”へと進化を遂げ、現在に至っている。

 そんな彼らの最新ミニアルバム『YOU&ME』の発売記念イベントが、2025年3月24日、埼玉にある越谷レイクタウン・木の広場にて行われた。

 関東を代表する巨大ショッピングモールである越谷レイクタウンは、いくつものイベントスペースが設置されていて休みの日になると、各会場で競うように新曲発表会や握手会イベントなどが繰り広げられる、いわば発売イベントの“聖地”といっても過言ではない。

 彼らにとっても、2021年7月6日以来、4年ぶり2回目となるステージだ。

「その時はコロナ禍の真っ只中で、イベントも状況によっては中止も選択しなきゃいけない苦しい状況だったんですよ」(航)

 ZANPAの元マネージャーというユニークな経歴をもつメンバーの航は、開演前の楽屋でそう語りかけてくれた。

「僕は地元が埼玉で、この場所は家族とよく来ていたので、特別な思い入れがあります」(義文)

 航から“形にとらわれず、グループにとって常に新しいものを生み出していく存在”と評される義文は、地元開催へ意気込む。

 昨年末から自らに1日1万5000歩を課し、9Kgのダイエットに成功したという孝介は、新作『YOU&ME』への想いを語る。

「11年間やってきたからこそできた形が、今回ミニアルバムとして辿り着きました。その幅を楽しんでほしいです」(孝介)

「今4人でできる集大成。とくに新曲として収録された『YOU&ME』『Rain』『Lights』は、ジャンルなどのしばりを一旦取っ払って、今4人がやりたい音楽に自然にたどりついた楽曲です」(航)

 そして、グループ一番の元気印であるYOMA。

「収録楽曲のラインナップを見ていただければ、今のZANPAの核となるものがわかっていただけると思います」

 その中でもレコーディングで、いつになく苦しんだという「SAIAI」(En-POPシリーズ第6章としてリリースされたレゲトン×歌謡シングル)についてこう語る。

「いつもしっかり準備をしてレコーディングに臨むのですが、プロデューサーから今回は一切準備してくるなと言われた。何回もダメ出しをされ、メンタルをえぐられましたが(笑)足し算ではなく引き算のレコーディングをするというニュアンスを学んだ。自分で聴いても今までのYOMAじゃないようなテイクが録れた。不思議な感覚だが、新たな引き出しを開けてもらったような気がした」

 そんなYOMAを他のメンバーはこう分析する。

「ZANPAの危機管理担当です。真面目で自分自身、常に成長したい。もう一押し、もう一押し頑張ろうと、声をかけてくれる、メンバーを引っ張ってくれる存在です」(義文)

「いつも一緒にいることが多く、いつでも悩みを共有できる相手。そして、ステージではアクセル全開、テンションMAXで頼れるパートナーです」(航)

 そんなZANPAの目標は、この作品をBillboard Japan Hot Albums、ベスト10以内に入れること。そのために、1月15日から全国津々浦々でミニアルバムの予約促進イベントを続けてきた。30分の短いステージだが、すでに70公演にも到達する。

「(発売日ということで)今まで以上の緊張感をもってのぞみたいと思います!」(YOMA)

初見の人の心も掴む“SUPER KAYOU”と1対1のコミュニケーション

ZANPAイベント写真(撮影=Susie)

 1部は、13時ちょうどにスタートした。

 1曲目は、彼らがカバーする楽曲の中でも群を抜いて観客にアピールできる、美空ひばりの「お祭りマンボ」だ。ど真ん中の歌謡曲を、今のアレンジと振付で“SUPER KAYOU”として披露する彼らの真骨頂である。ショッピングモールを行き交う人が、彼らの“華”に圧倒され、つい足を止めてしまう。ZANPAのオープンスペースライブでよく見られる光景だ。吹き抜けの2階、3階にも人が集まり、彼らもそんな観客への注意も怠らず、視線を送りながら、よりダンスに力が入っていく。

 2曲目は「OTTOTO」。En-POPシリーズ第5章としてリリースされた、“インドポップ×歌謡”シングル。航のラップはどんなに言葉が早口でも、言葉が聞き取りやすいのが特徴だ。“SUPER KAYOU”になって、より顕著にアグレッシブに航のラップが楽曲自体を引っ張っていくようになった。歌の中でもジャンル感がコロコロと目まぐるしく変わり、各パートで、それぞれの歌声のキャラクターが遺憾なく発揮されていく。

 3曲目はアカペラで松田聖子の「瞳はダイアモンド」をしっとりと聴かせる。彼らの個性と美声が重なり、モールに響いた。「六本木心中」(アン・ルイス)「ス・ト・リ・ッ・パ・ー」(沢田研二)とカバーソングを2曲連続でたたみかけると、彼らのステージでの名物コーナーである“ラウンド”が始まる。“ラウンド”とは、メンバー全員が客席(側)に降り立って、お客様一人ひとりに握手をしたり、ハイタッチをしたりするZANPAライブならではのムーブだ。

「物理的にできないところ以外は、ほぼイベント会場全カ所で行っています。お客様の目を見て、“来てくれてありがとう”という想いを込めて。僕としては1人に5秒以上はかけたいと思っています」(YOMA)

ZANPAイベント写真(撮影=Susie)
YOMA

 1部のステージでの“ラウンド”は彼らの代表曲「キメテ!」と竹内まりやのカバー「元気を出して」をBGMに行われた。

 「キメテ!」は、ある一人の女性をメンバーが取り合うように歌い合う、歌詞の言い回し含めそれぞれのキャラクターが色濃く突出した、まさに“ラウンド”にぴったりの曲だ。そして、今回のミニアルバムにもアコースティックバージョンが収録されている。

 孝介は、ミニアルバムで特に聴いてほしい曲として、この「キメテ!」を挙げていた。あえて歌い分けを当時と変えずに、アコースティックバージョンで収録。彼らの「あの頃があるから今がある」という強い想いがそこにあるのだ。

 そして、7曲目は、今回ライブ初披露となる、ミニアルバム収録曲「IKI」。

「分かりやすい振付で、お客さんと一緒に盛り上がれる。誰でも簡単にワクワクできる曲です」(YOMA)

 1部のステージのラストを飾るのはミニアルバムタイトル曲「YOU&ME」。発売当日にYouTubeで発表された、この楽曲のミュージックビデオでは、昔懐かしい昭和のバラエティ番組を彷彿とさせる設定が効いている。ボウリング場で開催される“ZANPA王争奪戦”なるゲーム大会にメンバーが参加、対決が繰り広げられるが、リップシンクはワイプで画面の隅に追いやられるところも、昭和感があってご愛敬だ。

「ZANPAだから、この4人だから、できることにこだわって作っています」(孝介)

 客席と一体となったステージは13時30分には終了を迎えた。気がつくと、明らかに今日初めてZANPAを体験した、ショッピング客が楽しそうに彼らを眺めている光景が垣間見える。

 YOMAが口を開く。

「今日、ZANPAを初めて知ってくれた人のために、ハイタッチ会を行います!是非ご参加ください」

 何と購入イベントの撮影会に入る前に、“一見さんのための”ハイタッチ会が行われるというのだ。初めてZANPA体験をしたお客様にとっての心地よいサプライズだ。

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