滝沢秀明が三宅健、平野紫耀、神宮寺勇太らとTOBEで創る“新時代”と“次の世界” エンターテインメントで果たす使命とは
IMP.と三宅、あるいはTOBEは、楽曲を“世界同時配信”することにこだわっているように思う。すべて“世界”へ向けて、違う場所にいても同じ時から聴くことができるように工夫をしている。それはつまり、滝沢が広げようとしている新たな時代、それに対する圧倒的な上位概念として、“世界への視線”が存在するということなのかもしれない。
たとえばIMP.の「CRUISIN'」。この曲は、TOBEアーティストがリリースした最初の音楽作品である。爽快感のあるポップパンク調のアップチューン、覚えやすい振り付け、プラクティス動画で認識する完成度の高さ、ストーリー性のあるMV。そのすべてが3分26秒という短さに収められた。これがTOBEが世界へと示した、新たなスタンダードだった。
このスタンダードを構成するサウンドを作り上げたクリエイター陣の名を見ても、意思表示のひとつとして取れると思う。作曲クレジットに並ぶのは、Avin、Slay、Chase、Rocoberryの4人の名前。全員が韓国のアーティストである。彼らの元来の主戦場であるK-POPシーンにおいても言えることだが、今、音楽シーン全体でポップパンクのリバイバルが起こっている。それも、流行だからと波に乗るだけにとどまらず、今ならではの新視点、新解釈、新機軸をどのアーティストも打ち出しているところがこのリバイバルの面白い点でもある。それは、「CRUISIN'」においても同じだ。覚えやすいポップなメロディライン、ヒップホップとのクロスオーバー、トラップミュージックも取り入れ、ラップの要素も混在している。どこを取ってみても、世界のトレンドに呼応した楽曲と言えるものとなった。
彼らは世界を変えようとしているのではなくて、“次の世界”を作ろうとしている。歌詞にしても、彼らはこう歌っている。〈ひとりじゃない〉〈迷わない 離さない〉と。誰かのSOSに答え、言い聞かせる。まさに届けること、そして届けられることを目的とした曲だと思う。
人はみんなひとりずつで、どんなに群れても延々と孤独を抱えている。音楽にもパフォーマンスにも、どんなエンターテインメントにも、それを変えることはできない。でも、ひとりずつと自分を繋げて、チームにすることはできる。音楽は音楽そのもののためだけに存在しているわけではない。洗練されたパフォーマンスはビジネスのために存在しているわけではない。歌やダンス、あるいはSNSで発信される言葉。そのどれもで感じられるのは、チームTOBEが示す視線の先にはいつも必ず“誰か”がいるということ。だからIMP.は、TOBEにとっても初めてのリリース楽曲である「CRUISIN'」で〈ひとりじゃない〉と歌い、その先で〈迷わない 離さない〉と帰結させた。それは、世界中の一人ひとりを――彼ら自身も含めて――肯定するための強い覚悟だったのかもしれない。
異なる個性が集まったチームだからこその快進撃、革命、希望。TOBEがやっていることを表すのには、もう少し正確な言葉があるかもしれない。でも、彼らが本当の意味で“次の世界”へ向かう準備ができたのは今であり、だからこそ、ここから始まる新章を信じられるのだと思う。
支えること、支え返すことは、彼らが“次の世界”を見つめれば見つめるほど、繋がり合うことへと展開されていく。受け手の生活や人生に関わることがエンターテインメントに課せられた使命のひとつなのだとしたら、きっとTOBEという新たな時代、新たなスタンダードは、絶対的な価値を持っていると思う。少なくとも、私の人生にはこうして関わっている。
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