坂本龍一、YMOやソロのみならず関連楽曲もバイラルチャート席巻 “世界の坂本”へ飛躍するきっかけとなった珠玉の名曲
Spotifyの「Daily Viral Songs(Japan)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top Songs」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたランキング。同チャートの4月5日付のTOP10は以下の通り(※1)。
1位:坂本龍一「Merry Christmas, Mr. Lawrence」
2位:坂本龍一「energy flow」
3位:Shadrow「Never Be Alone」
4位:松重豊, U-zhaan, 坂本龍一「猫村さんのうた」
5位:FIFTY FIFTY「Cupid」
6位:FIFTY FIFTY「Cupid - Twin Ver.」
7位:古川貴之「全力キング - TVサイズ」
8位:百足&韻マン「君のまま」
9位:YELLOW MAGIC ORCHESTRA「RYDEEN」
10位:boygenius「Not Strong Enough」
今週のSpotifyのバイラルチャートは、坂本龍一の逝去を受け、関連楽曲がTop100のうち半数近くもランクインする異例の動きを見せている。
それでもTop10までに、韓国の4人組女性アイドルグループ FIFTY FIFTYの1stシングル曲「Cupid」がバージョン違いで5位と6位へランクイン。そして10位には、フィービー・ブリジャーズ、ジュリアン・ベイカー、ルーシー・ダカスというUSインディー界を牽引する3人のシンガーソングライターによるドリームバンド boygeniusの1stアルバムから「Not Strong Enough」が10位にランクインするなど、新しい顔ぶれもしっかりチャートインを果たしていることが印象的だ。
とはいえ、坂本龍一の偉大さを見せつけるような圧倒的なチャート構成に驚かないわけにはいかない。まず驚かされるのはTop100までにチャートインしている楽曲だけを見てもわかるその仕事の幅の広さである。たとえば、4位にランクインしている「猫村さんのうた」が坂本龍一の楽曲と知って驚く方も多いかもしれない。「猫村さんのうた」は、ドラマ『きょうの猫村さん』(テレビ東京)に坂本龍一が書き下ろした主題歌で、タブラ奏者 U-zhaanを招いたこの楽曲は、ドラマで主演を務める松重豊が歌唱を担当している。
また、11位にランクインしている「い・け・な・いルージュマジック」は、忌野清志郎と坂本龍一とのコラボレーションシングルだし、20位にランクインしている「砂の果実」(中谷美紀 with 坂本龍一)、30位にランクインしている「MIND CIRCUS」(中谷美紀)は、どちらも坂本龍一プロデュース楽曲である。その他にも、35位にはピアノ演奏を坂本が担当し、作詞にUA、トラックを大沢伸一、そしてボーカルは満島ひかりが担当したMONDO GROSSO「IN THIS WORLD feat. 坂本龍一」がランクインするなど、YELLOW MAGIC ORCHESTRA(以下、YMO)やソロ楽曲はもちろん、さまざまな関連楽曲も根強い人気があることがわかる。