星野源、King Gnu、[Alexandros]、優里、Kis-My-Ft2、IVE……注目新譜6作をレビュー

New Releases In Focus

 毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回は星野源「Star」、King Gnu「TWILIGHT!!!」、[Alexandros]「JULIUS」、優里「最&強」、Kis-My-Ft2「お疲れ様です!feat.サンドウィッチマン」、IVE「DARE ME」の6作品をピックアップした。(編集部)

星野源「Star」

星野源「Star」

 この国のポップの在り方を刷新したと言っても過言ではない前作『POP VIRUS』以来、約6年半ぶりとなるニューアルバム『Gen』から先行配信された「Star」は、現代的なソウルミュージックと日本語の響きを活かしたポップソングを結合させた“星野源印”と呼ぶべき音像をさらに研ぎ澄ませた楽曲だ。独創的なビートとアレンジが理論を越えた楽しさと興奮を呼び起こし、2分42秒のなかに「え、今何が起きた?」と驚くようなことが何度も起きるのだが、難解さはまったくなく、誰もが自由に楽しめるポップスとして成立させているのも素晴らしい。あえて歌詞カードを見ないで歌を追うのが個人的なおすすめ鑑賞法だが、ひとつだけ記すと、〈私を手に/好きを源に〉というフレーズはこの曲の(そしてアルバム『Gen』の)本質を射抜いている気がする。(森)

King Gnu「TWILIGHT!!!」

King Gnu「TWILIGHT!!!」

 劇場版『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』主題歌となる書き下ろし新曲。生音とエレクトロの融合は今に始まった話ではないが、ほぼシンセ(もしくは一聴してバンドサウンドと判別できない音色)で構成されるこの曲は、King Gnuの新章突入だろうか。エフェクトをかけたボーカル、繰り返しの多い歌詞、エレガントかつミニマルな展開をキープするトラック。担当楽器が決まっているバンドの枠組みをいったん解体し、メンバー全員をマルチクリエイターとして再起動させたコレクティブ。ライブはバンド編成だとわかっていても、自然とそんなイメージが浮かんでくる。つまりは限りなくMILLENNIUM PARADEに近い一曲でもあるような感覚もあり、今後の展開が気になる。(石井)

[Alexandros]「JULIUS」

[Alexandros]「JULIUS」

 デビュー15周年を飾る約3年ぶりのニューアルバム『PROVOKE』の2曲目に収められた「JULIUS」は、連続ドラマW『ゴールデンカムイ ー北海道刺青囚人争奪編ー』(WOWOW)第2話主題歌としても話題となった激走アッパーチューン。圧倒的なスピード感に貫かれたリアド偉武のドラム、“楽曲のボトムを支える”、“奔放に暴れまくる”を同時に体現する磯部寛之のベース、ギザギザに尖った音色でキャッチ—なフレーズを放つ白井眞輝のギター、そして、しなやかさと鋭さを併せ持った川上洋平の歌。〈たった1秒の差で過去はもうゴミ箱〉というラインが示す通り、4人は常に“今”を生き続けている。そのことを改めて提示する、ロックミュージックのすごさとカッコよさを凝縮したナンバーだと思う。(森)

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる