「“みんなが知っている曲”を作りたい」――KJRGLが目指すべき地点 『Cloud_Six』で確立した世界観

昨年秋に颯爽と登場した、SME Japan × SME Koreaの合同プロジェクトによる日韓混成の6人組ボーイズグループ・KJRGLが、4月23日に初のミニアルバム『Cloud_Six』をリリースした。グループ名は日本語の“KUJIRA”と韓国語の“GOLAE”の造語。海の底にいたクジラたちが雲の上まで舞い上がり、さらに宇宙の向こうへ――。「Generation_Cloud」、「So_Fine?」といった今年リリースされたシングルと新曲などで構成された本作は、紆余曲折を経てようやくメジャーシーンの最前線に立ったメンバーらの喜びと自信が一音一音から伝わってくるようだ。リアルサウンドでは3回目となるインタビューの今回、リラックスした雰囲気のなかで『Cloud_Six』の手応えや6月1日に開催する2回目の単独公演について語ってくれたが、以前にも増してプロ意識の高さを感じさせるコメントが多かったように思う。日を追うごとに存在感がクジラのように大きくなっていく彼ら。その最新の姿をお届けしたい。(まつもとたくお)
今までのKJRGLにはなかった――開拓のミニアルバムに
――「Generation_Cloud」が『ジャンクSPORTS』(フジテレビ系)のエンディングテーマに決まりました。6月まで約3カ月間流れるそうですが、決定した時の気持ちはいかがでしたか?
RIKU:個人的にとても気に入っているナンバーなので、このように有名な番組を通じてより幅広い層のみなさんに届けられることがシンプルに嬉しいですね。
KOUKI:僕も同じ気持ちです。「この曲いいな」と思ってくれる人がひとりでも増えてほしいので、番組で流れることがきっかけになればいいなと思いました。
――ラジオやイベントの出演等のプロモーション活動など、春の到来とともに周辺も慌ただしくなってきましたが、みなさんのテンションもかなり上がっているのではないでしょうか。
SAERON:そうですね。KJRGLは深海からようやく空へ飛び出したばかり。いろいろなことに参加したおかげで、グループの知名度が徐々に上がっていくのを実感しています。最近は新しいファンの方が増えてきているので、もっと努力しなきゃいけないなと思いますね。
――ちなみに韓国出身のメンバーは、ラジオやイベントの出演では日本語で喋っているのですか?
SAERON:はい!
――日本語にも少しずつ慣れてきたようですね。
ISAAC:はい、もちろんです!
RIKU:本当に(笑)?
――ISAACさんはデビュー当時と比べて相当日本語がレベルアップしましたね。このようにナチュラルに会話に参加できるようになったのはすごいことです。
ISAAC:よかった(笑)。
――待望の1stミニアルバム『Cloud_Six』がリリースされました。まずはタイトルに込めた意味を教えていただけますか。
RIKU:“Cloud Nine”という英語があるんですが、“とても幸せな気分”を指すそうです。今回のアルバムでは、雲の上にいるメンバー6人がそのような状況を手に入れるまでのストーリーを描いています。実は僕、この言葉を今回のミニアルバム制作において初めて知ったんです。だから、英語が母国語でもあるISSACに「この言葉、知ってた?」と尋ねたら、彼も「知らない」と(笑)。
ISAAC:少し昔の言い回しなのかな? 僕が単に知らなかっただけなんですけど(笑)。
――(笑)。ミニアルバムのオープニングを飾るのは、3月にリリースされた先行シングル「So_Fine?」。リズムとしては横ノリでR&Bのテイストも感じられて。KOUKIさんはR&Bのグルーヴ感をキープして歌うことの難しさを前回の取材で答えていましたが、そのあたりはいかがですか?
KOUKI:そうですね。BPMが遅めで比較的歌いやすいタイプだとは思うんですけど、それでも難しかったです。
DIEN:聴いてくれる人たちにパワーを与えられる歌詞なので、そのあたりを大切にしながらレコーディングに集中しました。KOUKIと同じく、僕も歌うのがとても難しかったですね。
SAERON:初めて聴いた時にとても明るくソフトな印象を持ちました。パーティー気分で聴いた人があたたかくなるような歌い方にトライしましたが、結果的にうまく行ったと思います。
――2曲目はタイトルトラックの「Cloud_Six」。ゴージャス感のあるHIPHOPナンバーで、少しレトロなタイプですね。この方向性は今までになかったので、新鮮に響きました。
SAERON:シャウトするところが多い曲だったので、レコーディングの時は力いっぱい歌いすぎちゃって。作業がすべて終わったら、喉がガラガラになっちゃいました(笑)。
DIEN:僕はラップがそんなに得意じゃないんですが、この曲では頑張ってやりました。でも、実際にチャレンジしてみると意外と楽しめて、踊りとセットでやるとさらに楽しかった。「自分もラップがしっかりできるんだ!」っていう自信もつきましたね。
RIKU:今までのKJRGLにはなかったタイプの曲ですよね。ライブの雰囲気や進行をがらりと変える際に役立ちそうな、そして盛り上げる時にも頼りになりそうなトラックだと思います。6月に行う僕たちの単独ライブでも披露する予定なので期待してください!
――この曲調だと振り付けが相当ハードそうです。
DIEN:今まででいちばん大変でした。オリジナル曲でいちばん踊りがキツかったのは「Generation_Cloud」だったんですが、「Cloud_Six」はそれ以上。一回踊りきると、倒れ込みます。本当にヤバいです(笑)。
RIKU:ほかの曲だと、誰かが前に出ている時にちょっと休める瞬間があったりするんですが、この曲の場合はそれがまったくない。1フレーズごとに踊りが変わっていく感じで。
ISAAC:僕はおっとりしたタイプですし、エネルギーあふれるタイプでもないので、テンションの高いこの曲をレコーディングしたら、自分の精気がすべて吸い取られたような気分になりました(笑)。それでもパフォーマンスはやっぱり楽しいです。ライブでやりたい曲のひとつであることは間違いありません。