音楽業界の「説明不足」を反省する 2022年に環境問題として議論された「AKB商法」に関する国会議事録を読んで
今、国会レベルで、音楽ビジネスの話をするなら、CD時代のレコード会社とアーティストの録音専属実演家契約におけるデジタルサービスでの弊害とか、日本の音楽家の海外進出のための資金が足らない部分をどうするかとか、成功事例である韓国のKOCCA(韓国コンテンツ振興院)がやったことを調べるとか、そういう取り組みであってほしいですね。
コロナ禍で音楽業界が学んだことは、行政、立法に、音楽の社会的な価値を伝えることの必要性のはずです。音楽業界側の「説明不足」の解消は積極的にやっていかないといけません。とりあえず僕の本『最新音楽業界の動向とカラクリがよくわかる本』をこの立憲民主党の源馬さんに贈呈したいです。
今の文化庁長官は大ヒット作曲家の都倉俊一さんです。レジェンドとも言えるポップスの作曲家が文化庁長官になっているという素晴らしい人事を日本の音楽界は活かしていかなければなりません。コロナ禍の自粛要請で「不要不急」の扱いをされた音楽の社会における価値をしっかりと伝えていくことが、アフターコロナの音楽界の一番のテーマです。そして今や、主要な産業となっている日本のエンタメコンテンツを代表するものの一つとして、日本の音楽をグローバル市場で広めていくことに、政府、国会でも協力体制をつくっていただいて、やっていかなければと、この国会議事録を読んで思いました。
※1:第208回国会 環境委員会 第9号(令和4年5月13日(金曜日))
※2:ストリーミングだけでは音楽生態系は不十分という議論が始まった欧米。日本はまずデジタル市場広めよう。|山口哲一