EXILE、アルバムで辿る軌跡 第三章:未来への願いを込めて、日本中に届けた力強いエンタテインメント

 2021年9月27日にデビュー20周年を迎えたEXILEが、2022年1月1日に12枚目となるアルバム『PHOENIX』をリリースする。オリジナルアルバムとしては、EXILE ATSUSHIを含む“15人体制”で制作した前作『STAR OF WISH』以来、約3年半ぶり。EXILE AKIRA、EXILE TAKAHIRO、橘ケンチ、黒木啓司、EXILE TETSUYA、EXILE NESMITH、EXILE SHOKICHI、EXILE NAOTO、小林直己、岩田剛典、白濱亜嵐、関口メンディー、世界、佐藤大樹から成る“新生EXILE”にとっては初のアルバムだ。それに伴い、活動の節目を彩ったアルバムたちをピックアップしておさらい。第2回は第三章EXILEの作品を通して、彼らの歴史を紐解いていく。

 EXILE HIRO、松本利夫、EXILE ÜSA、EXILE MAKIDAI、EXILE AKIRA、EXILE ATSUSHI、EXILE TAKAHIROから成る“第二章EXILE”は、スタッフ陣も「EXILE自体が伸るか反るかの大事な時期」(※1)と気を引き締めていた2007年を経て、6thアルバム『EXILE LOVE』(2007年12月12日)や、『EXILE PERFECT YEAR 2008』の一貫として発表した3枚のベストアルバム『EXILE CATCHY BEST』(2008年3月26日)、『EXILE ENTERTAINMENT BEST』(2008年7月23日)、『EXILE BALLAD BEST』(2008年12月3日)といったヒット作を連発。2006年のTAKAHIROの加入によって間口を広くしたEXILEは、今まで彼らを敬遠していた人々にも自身の歌やパフォーマンスを届けるチャンスを得て、新たなファンを迎え入れることになった。

『愛すべき未来へ』

 それから間もなく、2009年3月1日には、これまでEXILEの前身グループであるJ Soul Brothers(二代目)の名を背負って活動してきたKENCHI、KEIJI、TETSUYA、NESMITH、SHOKICHI、NAOTO、NAOKIが新メンバーとして加入。2009年12月2日、14人体制のモンスターグループへと進化した“第三章EXILE”は、新体制として初のアルバムとなる7thアルバム『愛すべき未来へ』をリリースした。タイトルトラック「愛すべき未来へ」(第三章にとって初のシングル『THE MONSTER ~Someday~』にも収録)はATSUSHIが詞を書いた壮大なバラード。この歌詞に込められた「これからの世界を担っていく次世代に何を残し、何を伝えていけるのか」というメッセージは、EXILEにとって重要なテーマ。作詞を手がけたATSUSHIも「未来を生きるのは子供たちだし、次の世代の人たち。だから“愛すべき未来へ”というタイトルを付けました」(※2)と語る。この時ATSUSHIは「『Someday』が’09年のテーマ曲だったとしたら、この曲はこのアルバムのテーマであり、今のEXILEのテーマ」(※3)とも発言しているが、あれから12年が経った今も、“愛すべき未来へ”というテーマはEXILE TRIBEの活動に深く根付いていると言えるだろう。

EXILE / 「愛すべき未来へ」

 時代を超えて愛される名曲達が収録された『愛すべき未来へ』において、代表的な楽曲といえば、前述したシングル『THE MONSTER ~Someday~』のリード曲としてメンバー14人が満場一致で選曲した「Someday」だ(※4)。同曲は“第四章EXILE”になってからも度々披露されており、EXILEのデビュー20周年を記念したJr.EXILEによるカバー企画『EXILE TRIBUTE』ではFANTASTICS from EXILE TRIBEがカバー。当時DVDに収録された「Someday(こどもバージョン)」のMVにも、BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBEの砂田将宏がATSUSHI役、THE RAMPAGE from EXILE TRIBEの藤原樹がTAKAHIRO役で出演しているほか、今もアーティストとして活躍するメンバーがキッズダンサーとして多数参加しており、メンバー達が歌に込めた想いが、着実に後輩に受け継がれてきたことを証明している。さらに本作には、J Soul Brothers(二代目)のアルバム『J Soul Brothers』のリードトラック「GENERATION」をATSUSHI、TAKAHIRO、NESMITH、SHOKICHIで歌唱した新録バージョンや、レーベルメイトのDOBERMAN INC(DOBERMAN INFINITYの前身グループ)のラップを交えた「FIREWORKS」なども収録。当時のEXILEはラップと歌を分業していたため、このようなコラボレーションが実現したわけだが、今のEXILE TRIBEにはラップを得意とするグループも多数存在し、『EXILE TRIBUTE』ではBALLISTIK BOYZが「FIREWORKS」を独自のアレンジでカバーしている。その違いを聴き比べてみるのも、20周年の楽しみ方ではないだろうか。

EXILE / Someday
EXILE / Someday (こどもバージョン)

 バラードも名曲揃いだ。それまでのバラードといえば、ATSUSHI自ら作詞を手がけた「優しい光」や、音楽プロデューサー 松尾潔が手がけた「Ti Amo」「ふたつの唇」などの印象が強かったが、今ではEXILE TRIBEの楽曲を多数手がける作詞家・小竹正人が作家陣に加わるように。ドラマ『東京DOGS』(フジテレビ系)の挿入歌にも起用されたラブバラード「Heavenly White」は、2020年12月にTAKAHIROによるセルフカバー企画『EXILE RESPECT』の第二弾としても配信され、今もなお冬の定番ラブソングとして輝きを放っている。ちなみに『EXILE RESPECT』はオリジナル曲の魅力を活かしながらも、TAKAHIROの解釈を踏まえた新アレンジを提示するスタイルをとっており、「Heavenly White」は雨音のイントロが印象的なアコースティックバージョンにリアレンジ。2021年8月に配信した第三弾「優しい光」も、“自然の中で見上げた星空”を感じるオリジナルから一転、「人が持つ懐かしい記憶と、今の洗練された生活という二面性を意識してリアレンジ」(※5)したシティソングとなっている。

EXILE TAKAHIRO / 「Heavenly White」 (Music Video)



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