【新連載】EXILE、アルバムで辿る軌跡 第一章&第二章:デビューから受け継がれるエンタテインメントを追求する姿勢

 2021年9月27日にデビュー20周年を迎えたEXILEが、2022年1月1日に12枚目となるアルバム『PHOENIX』をリリースする。オリジナルアルバムとしては、EXILE ATSUSHIを含む“15人体制”で制作した前作『STAR OF WISH』以来、約3年半ぶり。EXILE AKIRA、EXILE TAKAHIRO、橘ケンチ、黒木啓司、EXILE TETSUYA、EXILE NESMITH、EXILE SHOKICHI、EXILE NAOTO、小林直己、岩田剛典、白濱亜嵐、関口メンディー、世界、佐藤大樹から成る“新生EXILE”にとっては初のアルバムだ。それに伴い、活動の節目を彩ったアルバムたちをピックアップしておさらい。第1回は、第一章〜第二章EXILEの作品を通して、彼らの歴史を紐解いていく。

『our style』

 2001年9月27日に、シングル『Your eyes only ~曖昧なぼくの輪郭~』でデビューしたEXILE。EXILE HIRO、松本利夫、EXILE ÜSA、EXILE MAKIDAI、EXILE ATSUSHI、SHUNの6人から成る“第一章EXILE”が、初のアルバム『our style』をリリースしたのは2002年3月6日のことだった。デビューして間もなく制作に取りかかったという同作には、それまでにリリースした3枚のシングル表題曲の他、ATSUSHIが初めて作詞を手がけた「eyes in maze」やソロ曲「こんなにもながい君の不在」なども収録。「D・T・B」ではかねてよりDJとしても活動していたMAKIDAIのスクラッチがフィーチャーされており、ダンス&ボーカルグループという枠にとらわれず、メンバー一人ひとりで個性を伸ばしていく独自の活動スタイルを提示した。その一方で、EXILEの前身グループ J Soul Brothersのカバー楽曲も多数収録されており、ATSUSHIは「名前をEXILEに変えたのになぜ、JSBの曲をカバーするのだろう…?」(※1)と疑問を抱いたという。だが、当時のプロデューサーであるavexの松浦勝人の「すごくイイ曲なのに、まだ世の中に知れ渡ってないから、だからお前らが歌うんだよ!!」(※2)というシンプルな返答に心底納得し、レコーディングに臨んだと後に語っている。現在もTAKAHIROがEXILEの曲をセルフカバーする<EXILE RESPECT>シリーズを行っているが、“たとえメンバーが変わろうと、良い曲は大事に歌い続ける”という姿勢は、デビュー当時から受け継がれてきたもののようだ。

EXILE / Choo Choo TRAIN

 その後、2ndアルバム『Styles Of Beyond』(2003年2月13日)で初のアルバムチャート首位を獲得すると、2003年12月3日には早くも3rdアルバム『EXILE ENTERTAINMENT』をリリース。同作には、先月放送された『CDTV ライブ!ライブ!』(TBS系)の20周年メガヒットライブでもパフォーマンスされた「Choo Choo TRAIN」(HIROが過去に在籍していたZOOのカバー曲)や「Together」といった人気曲、EXILEの王道ダンスジャンルをタイトルに据えた「New Jack Swing」などが収録され、初のミリオンセラーを達成した。アンダーグラウンドで磨き上げたスキルや泥臭さ、ルーツにあるR&Bを軸にしながらも、J-POPとして受け入れやすい作品に仕上がっており、メジャーアーティストとしての覚悟を感じる1枚と言えるだろう。

 初のベストアルバム『PERFECT BEST』(2005年1月1日)で人気を不動のものとしたEXILEだったが、2006年3月29日にはボーカル SHUNが脱退し、第一章としては最後の作品となる4thアルバム『ASIA』がリリースされた。HIROは同作について「今回は、ロック、ヒップホップ、R&B、ポップス…様々なテイストの曲で構成されているんですが、どれも日本人、アジア人として僕たちが子供の頃からいろいろな音楽を聞いてきたという環境をEXILEのフィルターを通して表現したものです。“ASIA”というテーマの中で、日本人的ソウルとはこういうものだろう、ということを伝えたいなと」(※3)と語っており、大ヒットバラード「ただ…逢いたくて」や、GLAYとコラボレーションしたロックチューン「SCREAM」など、『PERFECT BEST』以降にリリースされた楽曲も収録。節目のアルバムとはいえ、攻めの姿勢を崩さないEXILEがそこにはいた。

EXILE / ただ・・・逢いたくて -Short version-

 そしてこの時、意外にもアルバムに収録されなかったのが、2004年に初の両A面シングルとして発表された『Carry On/運命のヒト』の2曲。どちらも今も多くの人に愛される楽曲だが、特にATSUSHIが作詞を手がけた「運命のヒト」は、2006年に開催された新ボーカルを選出するオーディション『EXILE VOCAL BATTLE AUDITION 2006 ~ASIAN DREAM~』の課題曲となり、TAKAHIROにとっては最終決戦の舞台・日本武道館で歌唱した思い入れの強い1曲に。パフォーマー AKIRAとボーカル TAKAHIROを迎えた“第二章EXILE”の初アルバム『EXILE EVOLUTION』(2007年3月7日)の初回限定盤は、「運命のヒト -Orchestra Version-」やオーディション最終決戦の模様も収録された、メモリアルな作品となっている。また同作には、今や卒業ソングとして定着している「道」や、TAKAHIROが初の作詞に挑戦した「Dream Catcher」、倖田來未とのコラボレーション曲をATSUSHI&TAKAHIROで再録した「WON’T BE LONG feat. NEVER LAND」(バブルガム・ブラザーズのカバー)なども収録。ジャケット写真にはデビュー当初の“ワイルドなEXILE”を残しながらも、7人体制になって初のシングル曲が〈今新しいドアを開けて/また 一歩歩き出すよ〉と歌う「Everything」であるように、EXILEのエンタテインメントがここからさらに広がりを見せていくことを予感させた。

EXILE / Everything



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