EXILE TAKAHIRO、“新生EXILEの要”として歌い継いでいく覚悟 日々成長していく後輩メンバーとの近況も明かす

EXILE TAKAHIRO、歌い継ぐ覚悟

 EXILE TAKAHIROが、EXILEの楽曲をセルフカバーする<EXILE RESPECT>シリーズ。その配信シングル第3弾となる「優しい光」が8月9日にリリースされた。2021年はEXILEがデビュー20周年、TAKAHIROが歌手デビュー15周年を迎える年。昨年オリジナルメンバーが全員勇退してからは、EXILE AKIRAとEXILE TAKAHIROが初期のEXILEを知る数少ない存在としてグループを牽引している。記念すべき日を目前に控える今、ソロボーカリストとして、そして新生EXILEの要として奮闘するTAKAHIROは、どんな想いを抱えているのか。「優しい光」の制作秘話やスランプとの向き合い方、後輩達とのエピソードなど、“EXILE愛”を思う存分語ってもらった。(斉藤碧)

「初期EXILEの楽曲を歌い継いでいく使命を感じる」

ーーまず、今年5月にYouTubeで公開され、配信リリースもされている「もっと強く – From THE FIRST TAKE」について聞かせてください。ハラミちゃんのピアノアレンジで、2010年にリリースしたEXILEの「もっと強く」を歌ってみた感想はいかがですか?

EXILE TAKAHIRO(以下、TAKAHIRO):もともとハラミちゃんのことは知っていて、僕から共演をオファーさせていただきました。この時が初対面だったんですが、ピアニストとしての実力はもちろんのこと、人としても素晴らしい方でした。人当たりもすごく良いですし、コミュニケーションがとりやすかったので、かなりスムーズに撮影できました。一言でピアニストといっても、ハラミちゃんは歌手の後ろで伴奏をするタイプではなく、ご自分もアーティストとして前に出ていくポップスピアニスト。でも、音楽としての呼吸が合うと言いますか、僕の歌声を聴きながら、その場で瞬時に判断して前に出たり、あえて後ろに下がったり……という絶妙な演奏をしてくださる方なので。一発撮りには緊張しましたけど、音で会話をしているような感覚で自然に歌うことができました。

EXILE TAKAHIRO×ハラミちゃん – もっと強く / THE FIRST TAKE

ーー個人的には、歌手を目指すまではなりたいことや夢がなかったというTAKAHIROさんが、歌手という夢を叶えた今、この曲を歌う意味を考えさせられました。ご自身では、この歌詞にどんな想いを重ねましたか。

TAKAHIRO:ATSUSHIさんと2人で歌っていた当時から、EXILEの曲はATSUSHIさんと同じ想いで、同じ方向を向いてファンの皆さんに届けたいと思っていたので、僕自身は、誰が書いた歌詞なのかといったことは、あまり意識していなかったです。だからこそ、歌詞に込められたメッセージを自分のフィルターを通して歌うことを大事にしてきて。それは今回も変わらず、当時と全く同じモチベーションで歌いました。ただ、今の「もっと強く」にはEXILEになってからの思い出も重なっているので、僕はこの曲を聴くと主題歌となった映画『THE LAST MESSAGE 海猿』の映像や、リリース当時にやっていたスタジアムツアーの光景が脳裏に浮かびますね。

ーー今年はEXILEがデビュー20周年、TAKAHIROさんもアーティストデビュー15周年という節目の年ですが、ファンの方々もTAKAHIROさんと同じように、一人ひとり違う思い出をEXILEの楽曲に重ねているんでしょうね。

TAKAHIRO:20周年って、デビュー年に産まれた子がもう二十歳になるということですよね。歴史を感じますし、当時と同じ音源を聴いたとしても、あの頃とは違って聴こえると思います。特に「もっと強く」はコロナ禍で聴くと、言葉の重みや意味合いが違いますよね。ファンの方からのコメントを読んでいても、そういうメッセージを多く見かけました。時代によって曲は変化するし、育っていく……改めて「歌って面白いな」と思いましたし、ずっと隣で一緒に歌っていたATSUSHIさんの書いた曲を、こうして離れたところで歌う意義や、初期のEXILEの楽曲を歌い継いでいく使命も感じています。

ーー<EXILE RESPECT>シリーズ第4弾として「優しい光」がリリースされましたけど、そもそも<EXILE RESPECT>とは、TAKAHIROさんにとってどんなプロジェクトなのでしょうか。

TAKAHIRO:先輩たちと創り上げてきたEXILEの楽曲を丁寧に大事に、時代と共に輝かせながら歌い継いでいきたいという想いがあって、<EXILE RESPECT>を始動しました。このシリーズは『EXILE VOCAL BATTLE AUDITION 2006 ~ASIAN DREAM~』でも披露した「運命のヒト」から始まったんですが、個人的にはあまりもったいぶらずに曲を届けていきたい。これまでも、良い形になった曲から順番にどんどんリリースしてきましたし、今後もフットワーク軽めに続けていけたらと思っています。

ーー「優しい光」は、2009年にリリースされたEXILEのシングル『THE HURRICANE ~FIREWORKS~』のカップリングで、『EXILE TRIBE FAMILY FAN CLUB EVENT “TAKAHIRO 道の駅 2019″』でもソロ歌唱された楽曲です。今の時期にピッタリの選曲ですね。

TAKAHIRO:EXILEは意外と夏の曲が少なくて、比較的冬の曲が多いんですよ。でも、今回はリリース時期も夏ですし、夏曲を発表したいなと思っていました。新生EXILEになってからはバラードを発表できていないので、EXILEの強みの1つであるバラードを形にしたいという気持ちもありましたね。今って、羽を広げて、思いっきり夏を楽しめる雰囲気ではないですし、ライブも思うように開催できない状況ですが、そんな時に僕らができることは、音楽を通して、これまでの記憶を呼び起こすことくらいだと思う。僕らの曲を聴いて楽しかった夏を思い出してもらって、少しワクワクしてもらうとか、そういった心の元気を届けることしかできないと思うんです。だから今年の夏は、新生EXILEとしてリリースした「HAVANA LOVE」で気持ちを盛り上げつつ、ソロとしては「優しい光」でしっとりした癒しの時間をお届けできたらと思っています。

ーーどちらもサマーチューンなのに対照的で、この2曲にEXILEの軌跡と未来が詰め込まれていますね。

TAKAHIRO:そうですね。他のメンバーも、それぞれEXILEの歴史や伝統を重んじながら新しいことに挑戦していますが、自分が初期の楽曲を歌い、率先してEXILEの歴史に対する敬意を示していくことで、EXILEの過去と未来をしっかり繋いでいけるのかなと。14人体制のEXILEの中で、僕はそういう立ち位置だと思います。

EXILE / 優しい光

「今はスランプに感謝している」

ーーTAKAHIROさんがセルフカバーすることで、オリジナルの良さを再認識する方も多いんでしょうね。私自身も取材を機に、久しぶりに「優しい光」のオリジナルMVを拝見して、映画のようなドラマティックな映像に引き込まれたので。

TAKAHIRO:そうだと嬉しいですね。あのMV、すごく良いですよね。出演してくれた(速水)もこみちくん、元気かな?(と言いながら、華麗にオリーブオイルをかける動きをする)

ーー(笑)。セルフカバーをするにあたって、オリジナルからあえて変えた部分はありますか?

TAKAHIRO:オリジナルのMVは森っぽいロケーションだったので、どちらかというと都心から離れたイメージだったと思うんですけど、「優しい光」という曲の魅力は、いろんな景色をイメージできることだと思っていて。実は僕が考える「優しい光」は、当時から都会のイメージもあったんです。ですが、曲をどう捉えるかは聴き手の自由ですし、「曲がいろんな表情を持つこと」を伝えるのもアーティスト活動の醍醐味だと思うので、今回はあえてシティソングにしようと。都会的なイメージで、アレンジも艶っぽくアダルトな雰囲気に仕上げました。

EXILE TAKAHIRO / 優しい光 (Music Video)

ーー今回はMVもTAKAHIROさんが自らプロデュースされたと伺いました。MVを制作する上でこだわったことは何でしょう?

TAKAHIRO:音源に関しても、人が持つ懐かしい記憶と、今の洗練された生活という二面性を意識してリアレンジしていったように、MVでもそういうものを描きたくて。自然を感じられる日本の風景と、都会が持つムード漂う世界観、その中に潜む寂しさといったものを映像に落とし込みました。自分は山口県生まれなんですが、当時地元で見ていた星や月と、東京で見る空って同じものなはずのに、全く違って見えるんですよね。あの感覚をMVとして表現することができれば、田舎に置いてきた何かだったり、上京してきて感じたことだったり……みんなが抱える大切な思い出に、もっと寄り添えるんじゃないかなと思いました。

ーーなるほど。そして、<EXILE RESPECT>に関して1つ気になるのが、今年5月に『人志松本の酒のツマミになる話』(フジテレビ系)に出演した際、TAKAHIROさんが話していた「2006年のEXILE加入以降、7年に渡ってスランプに陥っていた」というエピソードです。オリジナルの「優しい光」が発表された2009年はスランプの真っ只中だと思いますが、思うように歌えない苦しみをどう乗り越え、笑顔で今この曲を歌えているのか。改めて聞かせていただけますか。

TAKAHIRO:EXILEは当時すごく勢いがあったんですけど、それとは逆に、自分はスランプに陥ってしまっていて。あの頃はすごく辛かったですね。状況的には逃げることもできたと思います。実際そういう僕を見て、「逃げてもいいのかもよ」と心配してくれる人もいました。でも、逃げたくないから悩んでいるわけで、かといって立ち向かっていく強さもない。だから、僕は“ただ居る”ことで乗り越えました。

ーーただ居る、ですか。

TAKAHIRO:どんな人にも、何をやっても上手くいかない時ってあると思います。もう一歩理想の自分に近づくためには、誰もが嫌な時期を乗り越えなければいけないと思う。それでも上手く進めないなら、ただその場で踏ん張るしかない。そういう時の1年間ってすごく長く感じますし、でも、苦しみながらも必死に模索していくと、どこかに先へ進むヒントが転がっていて。それが意外と近くにあったりするので、EXILEでいることを諦めなくてよかったなと思います。歯を食いしばってもがいた経験があるからこそ、今の自分がある。今はスランプに感謝しています。

ーー<EXILE RESPECT>シリーズには、もがきながら歌っていた当時の自分に対するリベンジのような気持ちもありますか?

TAKAHIRO:それもありますね。初期のEXILE曲には、技術的に自分が不得意とする楽曲があったんですけど、自分たちの曲なのに不完全な状態で形に残っているのが気持ち悪くて。「それを全部マスターしていこう!」という裏テーマも自分の中にはあります。まだファンの皆さんの前でライブができていないので、不完全燃焼というか、“旅の途中”という感覚ではありますが、着実に塗り替えられていますね。

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