さユり、最新テクノロジー駆使したライブ空間 幻想的な映像演出がもたらした特別な感動

さユり、最新テクノロジーによる特別なライブ

 酸欠少女さユりの没入型オンラインライブ『LIVE DIVE 酸欠少女さユり』が10月16日に行われた。大型4面LEDパネルが常設された配信スタジオ 「BLACKBOX³(ブラックボックス)」により、最新の映像テクノロジーで楽曲の世界観を表現する、配信だからこそ体感できる特別なライブである。

 オープニング映像で期待を煽ってから始まった1曲目「それは小さな光のような」から、いきなり映像の凄みで圧倒する。座った状態でギターを弾くさユりの演奏と歌に合わせ、点と点を繋ぐように線が伸びていく映像がステージの壁と床の一面に映し出される。その線が縦横無尽に動き回り、壮大で幻想的な景色を作り出していった。続く「ミカヅキ」は、後方に満月が映し出される中でパフォーマンスされた。曲が進むにつれ月は欠けていき、サビでは三日月になるなど、映像演出で楽曲の魅力を最大限に引き出している。左右に草原の映像が映されており、その中で歌っているように思わせる演出にもこだわりを感じた。

 「航海の唄」では、渋谷のスクランブル交差点や東京の幹線道路、ビジネス街の夜景が映し出された。まるでさユりが東京の街を航海し、移動しながら歌う姿を観ているような気分になる。最初のMCで「床まで映像がある不思議な空間で、配信ならではのライブをお届けできたらいいなと思っています」とさユりは語っていたが、その言葉通り、楽曲ごとに世界観とマッチした場所へ移動し、歌い演奏している姿を観るような不思議な感覚を体験することができた。

 RADWIMPSの野田洋次郎が提供したことでも知られる「フラレガイガール」ではランタンがステージに設置され、その光に照らされながらさユりが歌い始める。そして蛍のように点滅する無数の光が映し出されると、サビではその光が流れ星のように線を描いて、さユりの足元へ集まって円を描く。先ほどまでは迫力で圧倒させる映像が多かったが、この曲では美しく幻想的な光で音楽を引き立てていく。次の「平行線」も暗闇の中、ランタンの光だけで照らされながら歌い始めたが、演奏が進むにつれて映像も加えられ、楽曲の盛り上がりを表現していった。ガラスが割れたようなエフェクトのかかったスクリーンに歌詞が次々と浮かび上がることで、メッセージもダイレクトに伝わってくる。

 ドラマ『東京怪奇酒』(テレビ東京系)のOPテーマとして話題になった「かみさま」が演奏されると、MVと同じアニメ映像が壁と床一面に映し出された。さらに最新シングル曲「世界の秘密」では、EDテーマとなっているテレビアニメ『EDENS ZERO』(日本テレビ系)の映像が画面いっぱいに映し出されるなど、配信の強みを生かして、楽曲だけでなくMVやアニメをより魅力的に見せるような映像演出がなされているのだ。

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