「大迷惑星。」やAdoとのコラボでも話題の泣き虫、謎に包まれたソロアーティスト 初のメディア出演で明かされた実像に迫る
先日、自身初のパッケージ作品となる1stアルバム『rendez-vous』のリリースが決定したソロアーティスト・泣き虫。昨年より発表している楽曲が軒並み話題を席巻し、昨年9月に公開された「大迷惑星。」はYouTubeの再生回数が現在590万回、続いて公開された「くしゃくしゃ。」は200万回を突破。今年に入ってからも10月にメジャーデビューを発表したばかりの17歳の歌い手・Adoをいち早く迎えたコラボレーション楽曲「Shake It Now. (feat. Ado)」をリリースするなど、続々と話題の作品を発表しており、今その動向に注目が集まっている。
本名・素顔・年齢すべて非公開のためこれまでその素性は謎のままだったが、先日ラジオ番組『802 Palette』(FM802)に初めてゲスト出演したことで、僅かながらもその隠されていたベールが明らかになってきた。ラジオ以外のメディアを含めても初めてのメディア出演だったため緊張していることが予想されたが、声のトーンは終始落ち着いていて、緊張感はあまりない。むしろ常にフラットなテンションでパーソナリティの質問の一つひとつに丁寧に答えている様子が印象的だった。
音楽性のルーツを探る上でヒントにもなる「初めて買った音源は?」という質問には、中学生のときにアニメイトで買った『けいおん!』の「ふわふわ時間」と意外な一面を明かした。そして自分の性格を一言で表すと「マイペース」と回答。さらに自分の中には2人の自分がいて、ざっくり言うと「やばいやつ」と「まともなやつ」が存在しているのだとか。それぞれの役割については「やばいやつが曲を作って、まともなやつがまとめる」というのだ。このように、パーソナルな部分で見せたごく普通の男の子のような可愛らしい雰囲気とは裏腹に、曲作りにおいては一風変わった一面を持っている。
放送は徐々に曲作りの方法を深掘りしていった。音楽を作り始めたのは学生時代のバンドでオリジナル曲を作るときに遊び感覚で作ったのがきっかけだったという。書く曲はすべて自分のことではないらしく、「すべて妄想でできてる」「どこかで出会った人を組み合わせて作った」と話す。人間観察好きで、これまで見てきたもので頭の中に残っているものがそのまま曲になってるというのだ。「曲を作ってるのは僕じゃないような感じ」とも説明する。サウンド面にはそのときにハマってる曲の影響が色濃く出るらしく、その時々の自分の中の流行りが表れているため、新曲を聴けば今現在の彼のモードを知れるというのだ。
さて、そんな彼が11月11日にデジタルリリースした新曲が「ネモネア。」だ。〈花を見ては君が蘇る〉という印象的なフレーズから始まる今作は、聴き手を温かく包み込むような穏やかな一曲に仕上がっている。これまで彼の楽曲にあまり使われることのなかったピアノやストリングスも大々的に施され、エッジーなサウンドの多かった以前の作風と比べても非常にJ-POP的。ゆったりとしたやさしいバラードソングのためか、この曲で初めて彼の芯にあるポップス感覚に出会えたような気がした。加えて、その時その時の自身のモードが作品に滲み出るという彼だからこそ、こうした歌詞や曲調を今“選んだ”ことに意味深いものを感じるのだ。未曾有の年となった2020年に、ひっそりと咲いた希望のような作品だと思う。
アルバムの発売は来年の2月10日。そのときに彼がどんなモードに変わっているのかも気になるところである。
■荻原 梓
J-POPメインの音楽系フリーライター。クイックジャパン・リアルサウンド・ライブドアニュース・オトトイ・ケティックなどで記事を執筆。
Twitter(@az_ogi)
■リリース情報
1stアルバム『rendez-vous』(読み:ランデブー)
先行予約サイト一覧
2021年2月10日(水)発売
商品形態/品番/価格
CD/PCCA.04998/¥2,500+税
初回限定仕様・初回封入特典
※初回封入特典内容は後日発表
<外付特典>
・Amazon:メガジャケ(24㎝×24㎝)
・Amazon以外の法人:特典ディスク
※特典ディスク収録内容は後日発表
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