宅録部屋の“引きこもり”秋山黄色、夏フェス出演でさらなる注目 リスナーに支持される音楽性に迫る

秋山黄色、夏フェス出演でさらなる注目

 秋山黄色が、8月9日に「夕暮れに映して」を配信リリースする。彼は作詞・作曲・編曲・歌唱だけでなく、映像やイラスト制作まで手がける、23歳の“引きこもり”ソロアーティスト。YouTubeやSoundCloudなどで、過去に50曲以上宅録で制作した楽曲を投稿。昨年末から彼のMVにアクセスするリスナーが増えていき、YouTubeでの再生回数は「猿上がりシティーポップ」が160万回再生越え、「やさぐれカイドー」が150万回再生越え。中毒性があるとSNSを中心に話題沸騰中だ。動画や写真に一切彼の顔が出てこないことから、そのミステリアスな雰囲気にも集まっている。Spotify「Early Noise 2019」(=今年大きな飛躍が期待される新進気鋭の国注目が内アーティスト10組)にも選出され、昨年は『SUMMER SONIC 2018』、今年は『VIVA LA ROCK 2019』『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019』に出演するなど、10代〜20代前半の若いリスナーを中心に人気を集め、以前から応援していることを誇りに思うようなファンも増加している。

 秋山黄色は初の自主企画ライブ『1st mini Album『Hello my shoes』 release LIVE “What color are you? "』を今年1月から3カ月連続で開催し、認知を広げてきた。そんな中、今回リリースされる「夕暮れに映して」は、「クソフラペチーノ」「クラッカー・シャドー」に続く、2019年配信リリース第3弾である。

 今までカタカナでビビッドな印象の曲名が多かったが、今回の「夕暮れに映して」というタイトルは、ノスタルジックな雰囲気だ。これまでの彼の歌詞は、やや投げやり気味とも言えるものが多かった。「クラッカー・シャドー」では、陰鬱なベースのサウンドに乗せて、〈薄暗い 部屋 今日も一人 眩しい 空 みんな一人〉と歌ったり、「猿上がりシティーポップ」では〈辛うじて息を吸って吐いてる 青酸なんとかだったら終わりって笑えるね〉とパンチの効いた言葉も飛び出す。インタビューでも、「僕は嫌なことがあってから曲を作るんで、歌っていても怒っちゃう。喜怒哀楽で言うと、全部"怒"なんです」と語っていた(参考:skream!)。

秋山黄色『夕暮れに映して』

 新曲「夕暮れに映して」は、静かな雰囲気で始まったかと思いきや、つづく軽快なメロディとは対照的に、冒頭から〈もうなんもなくて笑えた 面白いけど楽しくないって普通かい?〉と、やはり諦めのような問いが歌われる。このまま続けて、世の中への怒りや儚さを歌うかと思われたが、今回は〈愚かでどうしようもない恋だってあるんだぜ〉と切ない恋の雰囲気を漂わせる。タイトルにもある「夕暮れ」に〈最後にあなたと笑った 最初みたいだったあなたも分かっていた〉と、カップルの別れを思わせる光景が、美しいファルセットで歌われる。この歌の主人公は、自分自身のために恋人と別れる選択をしたようだ。未練を残しながらも、〈自分で決めた事守る以外に何かがあんのかよ あなたが好きだと言ってくれた俺の保ち方〉と、自分が決めた“別れ”という決断を守らないと、恋人の好意を押し切って別れた示しがつかないと歌う。

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