DISORDERとCHAOS U.Kーー伝説的ノイズコア・バンドの来日公演をISHIYAが徹底考察

ISHIYAがノイズコアについて考察

 ノイズコア・バンドのDISORDERが2015年10月に、CHAOS U.Kが12月に、続けて来日を果たした。この2バンドにAMEBIXを加えた3バンドこそが、世界中に「ノイズコア」というジャンルを広めたバンドである。AMEBIXをノイズコアと表現することに違和感を感じる人がいるかもしれないが、後述するように、AMEBIXがいなければ、CHAOS U.KとDISORDERのサウンドも生まれなかったはずである。

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今回来日したCHAOS U.Kのメンバー。左からベース:FRAN、ギター:GABBA、ボーカル:MOWER、ドラム:SCOTT

 彼らは共にイギリス・ブリストル出身のバンドだ。ブリストルと言えば、他にもVICE SQUAD、CHAOTIC DISCORD、LUNATIC FRINGEなどの多くのハードコア・バンドを輩出した街として知られている。今回は、今年来日を果たしたDISORDERとCHAOS U.Kを中心に書いていきたいと思う。

 70年代後期、パンクシーンではそれまでSEX PISTOLSなどのパンク・ロックが主流だったが、CRASSの出現によりハードコア・パンクが台頭し始めた(参考:CRASS映像コラージュ集が伝える、伝説のパンク・バンドからの生々しいメッセージ)。その中でも、DISCHARGEの登場は世界中を衝撃の渦に巻き込み、ハードコア・パンクは一気に広まっていった。その後、GBHやEXPLOITEDなどの素晴らしいバンドが台頭する中、CHAOS U.KとDISORDERは、そのノイジーなサウンドで群を抜き、「ノイズコア」というジャンルを新たに確立していった。ハードコア・パンクスのバイブル的ビデオ『UK/DK』や、当時のイギリスのハードコア・バンドを集めたオムニバスシリーズ『PUNK AND DISORDERY』にも収められたCHAOS U.KとDISORDERは注目を集め、現在でも熱狂的なファンが世界中に多く存在している。

 『UK/DK』の中には、DISORDERのメンバー達が生活する通称“DISORDERハウス”と呼ばれたスクワットでの生活の一部が収められており、そこにはAMEBIXのメンバーも登場するなど、当時のブリストル・パンクス達の生活が垣間見えた。そのようなシーンやCHAOS U.K、DISORDERのライブ映像は、日本のハードコア・パンクス達にも非常に大きな影響を与えた。

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