『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』に貫徹された破滅的な試み “上下巻”だから描けたもの
※本記事はネタバレを一部含みます。鑑賞前の方はどうぞご注意ください。 『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』をめぐる一連のネガ…
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「ラウール」という男子名は世界的な見地から量るなら、一にも二にもラウール・ゴンサレス・ブランコのことを指す。元スペイン代表のフッ…
俳優アラン・ドロンが88歳で逝去した。映画ファンであれば確実に、映画ファンではなくとも、その出演作を観たことがなくても、「アラン…
タイトル「ホールドオーバーズ(原題:The Holdovers)」とは、「残留者」「遺物」「繰り越し」という意味である。時は19…
ヴィム・ヴェンダース監督が100%日本資本のもと全編東京ロケを敢行した『PERFECT DAYS』(2023年)が、日本映画とし…
リアルサウンド映画部のレギュラー執筆陣が、年末まで日替わりで発表する2023年の年間ベスト企画。映画、国内ドラマ、海外ドラマ、ア…
映画にしろ、小説にしろ、サイコパスによる血なま臭い凶悪事件はたいていの場合、近代の大都市の片隅でおこなわれる傾向がある。歪みきっ…
人は死ぬ間際まで愛を求める。たとえ最愛の人に先立たれて絶望の淵にあり、さらには自分の病状も悪化の一途をたどり、死に瀕しているとし…
64マスの市松模様で区切られた四辺形。この小さな平面上で起こる事柄が、あたかも激動の近現代史そのものを映しているかのようである。…
リアルサウンド映画部のレギュラー執筆陣が、年末まで日替わりで発表する2022年の年間ベスト企画。映画、国内ドラマ、海外ドラマ、ア…
アメリカ映画なのにアメリカは蚊帳の外である。ブラックパンサーはアフリカの秘境で高度な科学技術をもつ架空の王国ワカンダの王であり、…
エルヴィス・プレスリーにとって歌とは「赤い靴」だ。アンデルセン童話で貧しい少女が履く赤い靴は、貴族令嬢がサイズ違いで売れ残った「…
『トップガン』(1986年)の監督トニー・スコットが2012年に自死したとき、同作の続編企画はこれでもうダメになったと誰もが思っ…
人類最大の脅威は、戦争と疫病である。太古の時代からこの2つの災厄によって人類は痛めつけられ、人口を激減させ、それでもなんとか命脈…
アンドレイ・コンチャロフスキー監督(84歳)。黒澤明の原案に基づく『暴走機関車』(1985年)や、シルヴェスター・スタローン主演…
まだ57歳だというのに青山真治がこの世を去ってしまった。畏友の追悼文を書かねばならぬこの運命を、ただ呆然として呪うことしかできな…
のん監督・主演の最新作『Ribbon』は、パンデミックによる人間活動の停止そのものを直截的に描いた映画である。コロナ禍が始まった…
リアルサウンド映画部のレギュラー執筆陣が、年末まで日替わりで発表する2021年の年間ベスト企画。映画、国内ドラマ、海外ドラマ、ア…
この冬、フランスの聖少女ジャンヌ・ダルク(1412年?~1431年)を主人公とする映画が、立て続けに3本も公開されることになった…
Netflix映画『tick, tick... BOOM!:チック、チック…ブーン!』――この魅惑的なタイトルはどこから生まれ、…
『THE GUILTY/ギルティ』は、911番(日本の110番&119番に相当する緊急ダイヤル)のオペレーターを演じる主演のジェ…
『ドライブ・マイ・カー』は、今年7月のカンヌ国際映画祭で脚本賞ほか4冠に輝いた。日本映画史上まれな快挙だが、壇上で受賞スピーチに…
いま全世界は隔離の時代にある。3密(密閉・密集・密接)を避け、フィジカル・ディスタンシングは人類共通の合言葉となった。だからこそ…
「坂元裕二さんのシナリオが素晴らしい言葉に溢れていたので、私から特別なことは付け加えなくていい、と思いながら作りました」 2…
池松「僕自身にとってはすごく難しい役でしたね。まず脚本を読んだときに、恐ろしく優しい男だなと思ったんです。石井(裕也)さんが池松…
DCコミックスが誇る女性スーパーヒーロー、ワンダーウーマンのコミック雑誌デビューから70年以上経ってようやく実写による単独主演映…
リアルサウンド映画部のレギュラー執筆陣が、年末まで日替わりで発表する2020年の年間ベスト企画。映画、国内ドラマ、海外ドラマ、ア…
始めに恐ろしい事件が起こる。映画開始から私たち観客は異常なパニックへと持っていかれる。ワンシーン=ワンカットで撮られたファースト…
フェルメールの絵筆がひとりの女性を、薄暗い室内から静かに浮き上がらせる。彼女は窓外にまなざしを送る。誰かのことを思いつめて夜を明…
“Write something for me.” ーー私のために何か書いて。 数年にわたる闘病の末、ついにみずからの死を…
『タイガーテール -ある家族の記憶-』はアメリカ本国での劇場公開がパンデミックのために中止され、Netflix配信のみとなった。…
蟄居(ちっきょ)生活が続くなか、劇場で新作映画を観ることのできない世界中の観客がネット配信を通じて映画を観ている。この3月下旬に…
私たち現代観客は『リチャード・ジュエル』というアメリカ映画をどのように見たらよいのだろうか。一見シンプルなテーマを持ち、ひょっと…
このドキュメンタリー映画を見終えた今、じっさいのところ、底知れぬ不安に駆られている。『i -新聞記者ドキュメント-』(以下、『i…