荻野洋一の『ローグ・ワン』評

『ローグ・ワン』が描く、無名者たちの墓碑銘ーー原題に込められた意味を読む

『ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー』は、同シリーズ初の外伝だが、意外なほどにカノン(正伝)寄りの物語を持っている。「エ…

荻野洋一の『ヒッチコック/トリュフォー』評

荻野洋一の『ヒッチコック/トリュフォー』評:作家主義への誇りを再確認させるドキュメンタリー

「映画は芸術ではなく、娯楽である」というのは、よく言われる主張だ。芸術愛好のいやみを否定し、映画が庶民のものであるという高らかな…

荻野洋一の『母の残像』評

荻野洋一の『母の残像』評:“2016年路地裏の映画史”ラストを飾る、〈母の死〉から始まる物語

2016年の映画界は、〈母の死〉でいったん終わり、〈母の死〉から何かがまた始まそうとしている。  『シン・ゴジラ』や『君の名は。…

荻野洋一の『続・深夜食堂』評

荻野洋一の『続・深夜食堂』評:あまりにもさりげなく提示される食、生、そして死

まずは東京・中央区の築地という土地を歩いてみよう。江東区の豊洲新市場における「盛り土」問題、汚染物質検出によって、あいまいなうち…

荻野洋一の『ダゲレオタイプの女』評

黒沢清はイメージの狂気の中を彷徨っている 荻野洋一の『ダゲレオタイプの女』評

黒沢清がフランス映画デビューした。この事実に驚く人間は、この世界中で誰ひとりとしていまい。もはや国際的名匠の仲間入りをしている黒…

荻野洋一の『世界一キライなあなたに』評

『世界一キライなあなたに』がリアリティを持ち得た理由 荻野洋一が劇構造から読み解く

女性作家ジョジョ・モイーズのベストセラー小説「ミー・ビフォア・ユー きみと選んだ明日」(邦訳 集英社文庫)を、彼女がみずから脚本…

荻野洋一の『ゴーストバスターズ』評

荻野洋一の『ゴーストバスターズ』評:ポール・フェイグ監督がリブート版で捧げたオマージュの数々

こんどのゴーストバスターズは中年女性たちによって結成される。この性別の転換こそ、新『ゴーストバスターズ』の中心テーマだ。しかも彼…

荻野洋一の『トランボ』評

荻野洋一の『トランボ』評:まれに見る戦いの物語であり、映画そのものへの愛の物語

『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』は、映画業界の内幕ものである。主人公はシナリオライター。そもそも座ってタイプライターを打…

『シビル・ウォー』に隠されたにがい認識

荻野洋一の『シビル・ウォー』評:スーパーヒーローたちの華麗なる饗宴の影にあるもの

『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』は、アメコミヒーローの内輪揉めを描いている。たくさんのアメコミヒーローがたがいに対立し、…