菊池桃子の記事一覧

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たとえばアニメで、細かい設定なしに"アイドル"を登場させるとすれば、かつての菊池桃子のような子が描かれるのではないだろうか。逆にいえば、アニメから抜け出してきたかのように、アイドルというイメージの最大公約数を具現化した存在が菊池桃子だった。
好みのタイプとかに関係なく、誰もが心ひかれる可愛らしさ。おっとりした佇まい。歌手としては、消え入りそうなか細い声で、透明感ある世界を作り出すのが魅力的だった。それは歌唱法の教科書を基準にすればバツなのだろうが、アイドル・ポップスの手法としては、ひとつの高みでさえある。なぜなら、10代の少女にしか歌えない世界を描くのがアイドル・ポップスだから。たとえば、桃子のデビュー曲「青春のいじわる」。純粋なゆえに傷ついて、<いっしょに歩いた陽ざしのまぶしさだけ>を思い出に別れを告げる切ない痛みは、教科書どおり声量たっぷりに歌い上げられたところで、伝わるものではない。桃子のはかなげな歌声だからこそ、聴く者の胸を震わせたのだ。
シングルは12枚リリース。オメガトライブなどで知られる洗練されたメロディ・メーカー林哲司が、すべてを作曲してる。切ない系では「もう逢えないかもしれない」、さわやかメッセージ系では「Say Yes!」など、彼女ならではのピュアな曲が多い。途中、黒人女性コーラスなどを従えたロック・グループ"ラ・ムー"での活動も挾み(どこがロック?との声も多かったが)、20歳を過ぎてからは女優業に専念している。
現在はプロ・ゴルファーの西川哲夫人。結婚後には、事務所の後輩・奥菜恵のアルバム曲「LUCKY DAYに恋を始めよう。」で作詞したりも。流産という苦難も経験しつつ1男1女に恵まれるが、CMなどを見てると、本当にアイドル時代と変わらない。彼女の周りだけは、時間がゆっくりと流れてるかのように。 (斉藤貴志)

菊池桃子、シティポップの担い手としての魅力とは ラ・ムーの“早すぎたサウンド”も検証

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