BE:FIRST、削ぎ落としたアレンジで浮き彫りになる歌のスキル 『MTV Unplugged』に向けて注目したい“繊細な表現”
3月3日に神奈川・ぴあアリーナMMにて『MTV Unplugged: BE:FIRST』が開催される。『MTV Unplugged』とは、独創的で個性あふれるアコースティックライブの源流としてその歴史を刻んできたライブ。1989年の初公演以降、世界中のトップアーティストが出演しており、日本でも宇多田ヒカル、平井 堅、幾田りら、SixTONESなどのアーティスト/グループがパフォーマンスを披露してきた。そんな伝統あるステージにBE:FIRSTが登場。自身初のアコースティックライブとなる。
彼らが音を削ぎ落とした編成でパフォーマンスをするのは、これが初めてではない。2024年9月まで放送されていた音楽番組『Apartment B』(日本テレビ系)でのライブでは、既存曲を番組オリジナルバンド・Apartment Bandとともにパフォーマンスし、原曲とはまた違った魅力を見せていた。
たとえば、「Grow Up」。4thシングル収録曲としてリリースされた同曲は、洗練されたグルーヴが印象的なナンバーだ。ツーステップサウンドのアップビートに、ファルセットの歌を乗せ、ダンスはステップが多め。見ているだけでも体を揺らしたくなってくる。同曲「Grow Up -with Apartment Band ver.-」としてアレンジされ、グルーヴはそのままにリラックス感のあるサウンドへ再構築。抑え気味のバンドサウンドに乗ることで、メンバーのファルセットの歌声はより鮮やかになった。一方でラップパートはタイトに畳み掛けており、その対比も面白い。また、踊らずに腰をかけて歌っている姿も様になっており、まるで元からこういった質感の楽曲であるかのような説得力が感じられる。
新たな魅力が引き出されていたのは、「Boom Boom Back -with Apartment Band ver.-」。原曲は1990年代、2000年代、そして現代のテイストがミックスされたHIPHOPダンスナンバーで、アグレッシブなパフォーマンスが印象的だ。緩いノリのパートと、ビートに乗った力強いパートの緩急が癖になる一曲だが、「Boom Boom Back -with Apartment Band ver.-」では生バンドの演奏のため、原曲よりも音数が少なく、落ちついた印象になっている。しかし、その分メンバーが声を多く重ねており、楽曲の熱量を補完。セッション感があるパフォーマンスならではの一体感が生まれている。しかも、原曲のノリをメンバーたちが声で表現しているため、楽曲全体の印象は大きく変わっていないものの、聴こえてくるサウンド感がまったく違う。そんな新しい体験を視聴者に提供した。
こうして振り返ると、いずれも原曲よりも音が削ぎ落とされたアレンジでありながらも物足りなさを感じさせることはない。むしろ余白が生まれたことで、BE:FIRSTの表現力や確固たる歌唱力がより一層浮き彫りになっている。“with Apartment Band ver.”よりもシンプルな編成になるであろうアコースティックライブでは、さらに繊細な表情が引き出されるはずだ。伝統ある『MTV Unplugged』の舞台で、BE:FIRSTがどのように音と向き合い、自らの魅力を提示するのか。期待が募る。


























