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日本ミュージック・シーンにおける最・最・最重要人物。そのキャリアは30年以上にも及ぶ。
69年、エイプリル・フールのベーシストとしてデビュー。プログレ、ブルース・ロック、サイケ・ロックによる混沌としたアルバム『THE APRIL FOOL』を残したが、あえなく解散。70年には、エイプリル時代からの盟友・松本隆、天才ギタリスト鈴木茂、そして大滝詠一らと共に、「はっぴいえんど」を結成。日本ではまだ馴染みの薄かったバッファロー・スプリングフィールド、モビー・グレイプなど、アメリカン・フォーク・ロックの色合いが強いサウンドを目指した。また、日本語を用いた文学的な詞世界は日本ロック史にあまりに大きな足跡を残している。だが、3枚のアルバムを発表し、73年解散。
同年には、早くもソロ第一弾『HOSONO HOUSE』を発表。ジェイムス・テイラーの傑作『スウィート・ベイビー・ジェイムス』に影響されたといわれる本作は、膨大な彼の作品群のなかでも、非常にパーソナルな心境を綴った唯一のアルバムといえるだろう。サニーデイ・サービスや中村一義辺りが好きな人は、マスト・アイテムである。
その後、松任谷正隆、林立夫、鈴木茂らと、ティン・パン・アレイを結成。この最高の技術・素養を結集したプロ・アーティスト集団は自身の作品リリースのほか(もちろん傑作)、キャラメル・ママ名義で、荒井由実、吉田美奈子、矢野顕子らのプロデュース活動を行い数々の歴史的名盤を世に残した。
70年代中盤からは、オリエンタル/トロピカル・テイストにあふれる3部作『トロピカル・ダンディ』、『泰安洋行』、『はらいそ』を発表。注目すべきはこれらの作品を通じて、ジャーマン・プログレ、電子音楽の世界へ傾倒していった点である。その結果が、坂本龍一、高橋幸宏とのYMO結成に繋がっていったのだ。そして『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』、『BGM』、『テクノデリック』など、ポップ・ミュージックの概念を根底から覆すような傑作を次々に発表。クラフトワークと共にテクノ音楽のパイオニアとなった彼らは、ワールドワイドな成功を収めるに至った。が、83年に解散(いや、散開)。
その後は、アイドル歌手への楽曲提供(テクノ歌謡というジャンルを確立)、プロデュースなど幅広い活動を行う一方で、自身もアンビエント、ワールド・ミュージック、ニューアカデミズムの影響のもと、斬新かつ完成度の高い作品を数多く発表していった。最近では、久保田麻琴とのユニット、ハリー&マックにて、久々にアメリカン・ルーツ・ミュージックに挑戦。嬉しいことに、味わい深い低音ヴォイスと再びベース・プレイを聴かせてくれる。

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