星街すいせい「また1億再生してもらえるような曲を作らなきゃ」 「ビビデバ」大ヒットを経て2025年さらなる飛躍を誓う

星街すいせい、2024年を振り返る

 2024年も音楽シーンにおいて存在感を発揮した星街すいせい。2024年3月にリリースした「ビビデバ」が総再生数1億回を超えるバイラルヒットを記録したほか、11月から12月にかけてさいたまスーパーアリーナ含む3都市をめぐるツアーを初開催するなど、記録も、規模も例年を上回る活躍を見せてくれた。

 リアルサウンドでは、そんな星街すいせいに2024年を振り返るインタビューを行った。2024年1月1日掲載したインタビュー時点では日本の攻略度を“20%”と語っていた彼女だが、それが昨年の活動を経て何%までアップしたのか。その答えを確かめてほしい。(編集部)

2024年は「ほんとにもう忙しすぎて(笑)」

ビビデバ / 星街すいせい(official)

ーー2023年に引き続き、星街さんにとっての2024年は大きな飛躍を遂げた1年だったと思います。ご自身としてはどんな時間を過ごせたと感じていますか?

星街すいせい(以下、星街):おっしゃっていただいた通り、私自身としても飛躍の年だったなと思っていて。やっぱり「ビビデバ」がバズったことがすごく大きかったと思います。あの曲がVTuberを知らない人たちにも届き、伝わっていった実感がすごくあったんですよね。曲自体に興味を持ってくれて、後から「この曲ってVTuberが歌ってるんだ」っていう認識がついてくるという現象がすごくたくさん生まれていたというか。そこから「じゃあ他のVTuberの曲も聴いてみようかな」という流れを作ることもできたと思うし。そのことは私自身はもちろん、バーチャル業界にとっても良かったことだなと感じています。

ーー昨年のインタビューで「2024年はぼちぼち休みつつ、大変すぎないくらいのバランスで動けていけたら」といった発言をされていましたけど、実際はとんでもなく大忙しでしたよね。

星街:ほんとにもう忙しすぎて(笑)。今年こそはちょっと休みながら、ゆっくり活動していきたいんですけどね。そんなことを配信で言ったら、「また言ってるよ。無理でしょ」みたいなコメントがたくさん届きました(笑)。

ーーその忙しさは世の中から求められていることの大きな証明。そこにやりがいを感じている部分もあるわけですよね。

星街:それはもう、もちろんです。「忙しい!」「大変だ!」みたいな気持ちがありつつも、いただける様々なお話は全部が嬉しいものだし、すべてが「やりたい!」と思えるものばかりですからね。やりたくないお仕事はほんとになくて。だからこその大変さ、嬉しい悲鳴でした。

ーー4月にはちょっとだけお休みをされていましたが、そこでリフレッシュすることはできましたか?

星街:めちゃくちゃリフレッシュしました。リリースしたばかりの「ビビデバ」の数字がバーッと伸びている状況だったので、その休暇中に「これからどう動こうか?」「次の曲はどうしよう?」みたいなことを考えられたのも良かったですね。お仕事のことをいろいろ考えていたという意味では、完璧なお休みではなかった気もしますけど(笑)。でも実家に帰ったりとか、めちゃくちゃ遊びまくることもできて。いろんなインプットができましたね。今年も同じように1カ月ぐらいの休暇を取りたいなとは思ってます(笑)。

ーーでは、ここからは昨年の大きなトピックごとにお話を聞いていこうと思います。まず外せないのはやはり「ビビデバ」のヒットですよね。楽曲ができた段階で、ご自身としても大きな手ごたえがあったんじゃないですか?

星街:「ビビデバ」を書いてくださったツミキさんは、そもそも私が投稿しているカバー楽曲の中で一番伸びている「フォニイ」を作られた方。なので、自分の中の文脈的にもツミキさんのセンスで作っていただいた楽曲であれば、絶対にいいものになるぞという確信はありました。で、実際に完成したものはものすごくキャッチーでオシャレな楽曲になっていて、私自身もすごく大好きな曲になったんです。あとはこれをどうバズらせるかだなと思い、いろいろと試行錯誤していく中で、ショート系の動画へのアプローチを強めていった結果、すごくたくさんの方に届く流れになりました。自分の楽曲は全部がお気に入りなんですけど、星街すいせいを知らない人にまでそれをどう広げていくかという部分で今回はすごく頑張りましたね。

ーー大きな話題を呼んだミュージックビデオも楽曲のヒットに大きく影響した印象です。

星街:そうですね。擬態するメタさんが本当に素晴らしいアイデアを出してくださり、本当におもしろいMVを作り上げてくださいました。以前から私の中には擬態するメタさんにMVをお願いしたい気持ちがあったので、それが「ビビデバ」で上手くアサインできたこともすごく嬉しくて。内容に関しては、ざっくりと楽曲のテーマをお伝えしただけで、あとはお任せした感じだったんですけど、結果的にたくさんの人がおもしろいと注目してくれる仕上がりにしてくださったことが本当にありがたかったです。靴を投げるシーンとかがめちゃくちゃバズってましたよね(笑)。

ーー「ビビデバ」は配信開始からわずか2週間ほどで1000万再生を突破。そこからも数字を伸ばし続け、11月13日に1億再生を記録しました。

星街:ぶっちゃけ第一波でガーンと伸びて以降は、もう私の預かり知らないところでの話といった感覚もあったんですよ。めちゃくちゃ副次的に伸びていくみたいな。

ーー楽曲が一人歩きする、みたいな。

星街:そうそう。「あ、こんなところでも使ってもらってる!」みたいな感じで、私自身がその流れに追いつけていないというか。めちゃくちゃ忙しくバタバタしていたので、エゴサする時間もあんまりなかったですし(笑)。で、「気づいたら8000万行ってるやん!」「9000万行ってるやん!」「わ、1憶行った!」みたいな感じで。でも、そういう状況はいいことだなと思ったんですよね。自分の目が届かない範囲にまで曲が届き、認知していただけるって、本当にすごいことですから。純粋に嬉しい気持ちでした。

ーー1億という数字はリアリティを持って受け止められている感じですか?

星街:いやー、正直よくわかんないですよね(笑)。文字面で見れば1憶ってすごいことだっていうのはわかるけど、そこまで実感というものはなくて。ただ、次もまた1億再生してもらえるような曲を作らなきゃなっていう気持ちにはなりました。

ーー「ビビデバ」のヒットでチャンネル登録者数が増えたりとか、配信を見てくれる人が増えたりとか、そういった広がりもありましたか?

星街:チャンネル登録者数は確かにめっちゃガンと増えましたね。でも逆に星街すいせいの配信を見たことがないという人もめちゃくちゃ増えたんですよ。私はそれが嬉しかったというか。もちろんね、配信も見てくれたら嬉しいっちゃ嬉しいんですけど、曲だけでもファンって言えるような存在になってくれたら、それは大きな一歩じゃないですか。VTuberは配信ありきで、そこから視聴者を取り込んでいくスタイルに思われがちだけど、別に音楽から入ってくれる人たちがいても全然いいわけですからね。

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