ガイ・マディン監督の初期2作品 『ギムリ・ホスピタル』『アークエンジェル』4K版公開決定
![ガイ・マディンの初期2作品が4K版で公開](/wp-content/uploads/2025/01/20250130-guymaddin-08.jpeg)
ガイ・マディン監督の初期2作品『ギムリ・ホスピタル』と『アークエンジェル』の4K版が、「NIGHTMARE OF GUYMADDIN ~倒錯する悪夢の狂宴~」と題して3月15日よりシアター・イメージフォーラムにて2作品同時先行公開されることが決定した。
1958年、カナダのウィニペグ生まれのマディン監督は、大学卒業後俳優業を経て1985年に初監督作となる短編『The Dead Father(原題)』を発表。トロントをはじめとする各国映画祭で話題となる。生まれ育ったウィニペグを拠点に創作活動を続け、最新作『Rumours(原題)』はアリ・アスターが製作総指揮を務めている。
『ギムリ・ホスピタル』(1988年)は、マディンが監督・脚本・撮影・編集を兼任した長編監督デビュー作。撮影直前に、①恐怖、②嫉妬、③憎しみ、④後悔、⑤悲しみ、⑥忘却、⑦あこがれ、⑧恥辱、⑨復讐、⑩愛という10種類の感情の番号を演者に指示するのみという演出手法で撮影されたという。物語は、19世紀末のカナダの寒村にある不気味な病院を舞台に、天然痘を患った漁師のエイナーと看護婦たちに人気の患者グンナーとの不思議な因縁を描く。なお、マディンは医者役で出演もしている。
デヴィッド・リンチの『イレイザー・ヘッド』やアレハンドロ・ホドロフスキーの『エル・トポ』を全米配給したベン・バーレンホルツの目に留まり、「全くとんでもない、エキサイティングな作品。限られた観客層が強力な反応を示す類の映画だ」とニューヨークで公開され、長期間にわたってカルト的な人気を獲得している。日本では1992年に公開後、東京フィルメックスで特別上映されたのみでソフト化もされていない。
『アークエンジェル』(1990年)は、マディンの長編第2作。題名は舞台となるアルハンゲリスクの英語名で「大天使」の意。第一次世界大戦終盤のアークエンジェルを舞台に、ロシア人兵士を中心に展開する“倒錯する愛”の物語だ。スタッフ・キャストは『ギムリ・ホスピタル』とほぼ同じで、マディンは監督・脚本・撮影・編集・美術(共同)を兼任し、眼帯姿の兵士役で出演もしている。
あわせて、予告編とメインビジュアル、場面写真も公開された。
2作品は、シアター・イメージフォーラムでの先行公開後、順次全国公開を予定。イメージフォーラムでは前売り特典として4K版海外ビジュアルのポストカードが提供される。
なお、2作品はアニメーション配給会社リスキットのダークファンタジー作品を集積した新ブランド「Riskit Black Label」の第1回配給作品としてクレジットされている。
■公開情報
「NIGHTMARE OF GUYMADDIN ~倒錯する悪夢の狂宴~」
3月15日(土)より シアター・イメージフォーラムにて2作品同時先行公開後、全国順次公開
『ギムリ・ホスピタル』
監督・脚本・撮影・編集:ガイ・マディン
出演:カイル・マクローチ、マイケル・ゴッリ、アンジェラ・ヘック
1988年/カナダ/英語・アイスランド語/ モノクロ/スタンダード/72分/DCP 4K/原題:Tales from the Gimli Hospital
『アークエンジェル』
監督・脚本・撮影・編集:ガイ・マディン
出演:カイル・マクローチ、マイケル・ゴッリ、サラ・ネヴィル
1990年/カナタ/英語/モノクロ/ スタンダード/78分/DCP 4K/原題:Arch Angel
提供:Riskit(Black Label)、caruta
配給:Riskit
公式サイト:guymaddin.jp