坂口健太郎は『おかえりモネ』の“守護神”だった 百音と視聴者の心を癒やし続けた佇まい

『おかえりモネ』の“守護神”は坂口健太郎

 テレビドラマが終盤に差し掛かると、「この作品のMVPは◯◯」などのニュースが出ることがしばしばある。視聴者それぞれで気に入った、印象に残った役者は違うだろうし、脚本や演出などスタッフの名前を挙げる人もいるかもしれない。

 ついに残りの放送もあと5話となった『おかえりモネ』(NHK総合)の場合は、いい意味で視聴者によってMVPが特にバラバラな作品のように思う。主人公・百音として、19歳(回想シーンを含めれば中学生時代も)から24歳の5年間の変化、物語の真ん中に立ち錚々たる俳優陣を相手にわたりあった清原果耶は当然のこと、姉・百音との対比になるようなキャラクターであった妹の未知を演じた蒔田彩珠や、物語の“重荷”を背負った及川親子の浅野忠信、永瀬廉の名前を挙げる人もいるかもしれない。丹念に丁寧に物語を紡いだ脚本・安達奈緒子こそという人もいるだろう。

 いや、1人重要な名前を挙げ忘れている。菅波先生を演じた坂口健太郎だ。「#俺たちの菅波」のハッシュタグが生まれ(『あさイチ』プレミアムトークで本人にも届いていたことも明らかに)、中盤の東京編からの盛り上がりを支えたのは間違いなく菅波だろう。ただ、「MVP」という表現だと何か違うような気が個人的にはする。

 最終章となる気仙沼編では、菅波は東京で働いていることもあり第115話での再登場までは、百音との電話などのシーンでチラッと登場する程度。東京編の序盤も、百音が上京してしばらくは登場することはなかった。百音が人間として成長・変化していく上で、菅波の存在は最重要ではあるし、菅波の変化も本作の大きな見どころのひとつではあったのだが、作品のテーマのひとつである東日本大震災の当事者ではないという部分で、「MVP」、つまり、ど真ん中に置く人物ではないような気がしている。とはいえ、菅波がいなければ、坂口健太郎が演じていなければ、本作が成立しなかったことは疑いようもなく、何かしらの称号を贈りたい!とふと思ったときに浮かんだのが「守護神」だ。



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