坂口健太郎は『おかえりモネ』の“守護神”だった 百音と視聴者の心を癒やし続けた佇まい
かなり無理矢理な肩書ではあるが、百音の心を何度も救い、視聴者の心をも救ってきた存在感は、「この人がいるから安心できる」という、野球で例えるところの守護神のようではないかと。第23週「大人たちの決着」では、新次(浅野忠信)と亮(永瀬廉)、耕治(内野聖陽)と龍己(藤竜也)と、二組の親子を通して、震災の当事者たちの心が描かれた。トーンで言えば、重い展開だった第23週において、菅波が再登場した瞬間に物語の空気は一変。予定時間よりも数時間も早く到着し、所在なさげにしている菅波の佇まいを見て、思わず笑顔を浮かべた視聴者も多かったのではないだろうか。
さらに、百音と亮が2人きりで話している様子を見て、「19対5」(亮と自分が百音と一緒にいた年数の比較)という、菅波ならではの名(迷?)言も飛び出すのだから面白い。10月22日は一日中Twitterのトレンドに「#俺たちの菅波」がランクインしていたことが象徴的なように、放送の最後数分の登場でもすべてを持っていってしまった。そんなところも9回を締めくくる守護神っぽい。
劇中の月日も5年ほど経っているため、百音がおでこを出す髪型になったように登場人物の髪型も雰囲気も少しずつ変化している。その中でも、本記事のメイン写真(第3話)を見れば伝わると思うが、一番雰囲気が変化したのは菅波で間違いないだろう。当初の他者を寄せ付けないオーラは消え、柔らかい雰囲気を身にまとうようになった。絶妙なさじ加減で見た目だけではなく、その人自身が放つオーラを変化させてきた坂口健太郎の凄さを改めて感じる。
最終週は百音との結婚の挨拶(?)のため、改めて永浦家の面々と対峙する菅波。来週も「#俺たちの菅波」のトレンド入りが続きそうだ。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』
総合:午前8:00~8:15、(再放送)12:45~13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30~7:45、(再放送)11:00 ~11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:清原果耶、内野聖陽、鈴木京香、蒔田彩珠、藤竜也、竹下景子、夏木マリ、坂口健太郎、浜野謙太、でんでん、西島秀俊、永瀬廉、恒松祐里、前田航基、高田彪我、浅野忠信ほか
脚本:安達奈緒子
制作統括:吉永証、須崎岳
プロデューサー:上田明子
演出:一木正恵、梶原登城、桑野智宏、津田温子ほか
写真提供=NHK