澤穂希 × 長谷川唯、W杯への思いや女子サッカーの未来を語る「最後に必要なのはハングリー精神」

澤穂希×長谷川唯、女子サッカーの未来語る

 澤穂希『ジュニア版 夢をかなえる。』と長谷川唯『SMILE わたしを笑顔にする40の思考と習慣』(ともに徳間書店)のダブル刊行を記念したトーク&サイン会が7月12日、都内で開催された。イベントでは、現在開催中のFIFAワールドカップや、来年開催予定の女子ワールドカップ、なでしこジャパンへの思いなどについて熱く語り合った。

 徳間書店は、2011年のFIFA女子ワールドカップ初優勝後に刊行されベストセラーとなった澤穂希の著書『夢をかなえる。』を、小学校高学年から読めるようにふりがなとイラストを加えた『ジュニア版 夢をかなえる。』として刊行。

 さらに、澤と同じく日テレ・東京ヴェルディベレーザ出身で、現在はマンチェスター・シティFCとなでしこジャパンの中心選手として活躍する長谷川唯の初著書『SMILE わたしを笑顔にする40の思考と習慣』も発売された。日本女子サッカー界を代表する二人による対談も両書に収録されており、その刊行を記念して今回のスペシャルトーク&サイン会が実現した。

 トークセッションは、現在開催中のFIFAワールドカップの話題からスタート。日本対オランダ戦を現地観戦した長谷川は、「普段なかなか応援に行く機会がないので、応援するのっていいなと思いました。会場の一体感やチームの雰囲気がすごく伝わってきて、来年の女子W杯では、なでしこジャパンも皆さんにそう思ってもらえるチームになりたいと強く感じました」と語った。

 一方、ブラジル戦で敗退した日本代表について澤は、「正直、本当に悔しかったです。現役を離れてだいぶ経ちますが、今でも同じ気持ちで戦っています。試合を見終わると本当に疲れるんですよ。自分がプレーしているわけではないのに、選手の気持ちになって入り込んでしまうので、頭も体も疲れます」と、今も変わらぬ代表への思いを明かした。

 長谷川も、「最後の試合は、自分たちの姿と重ねながら見ていました。先制しても相手のギアが上がってくる時間帯は本当に苦しい。あの猛攻の時間帯は、一緒に戦っているような気持ちでした」と、現役代表ならではの視点で試合を振り返った。

 現在、イングランドのマンチェスター・シティFCでプレーする長谷川は、2025-26シーズンにリーグ優勝と女子FAカップ優勝の国内二冠達成に貢献。

 澤は、「ビッグクラブで結果を出すのは簡単なことではありません。その中で中心選手として活躍し、海外の選手やファン、監督、スタッフからもリスペクトされている。唯ちゃんは本当にすごいことをやっています」と、その活躍を称賛した。

 続いて話題は、それぞれの新刊について。『夢をかなえる。』のジュニア版刊行について澤は、「今の小学生は2011年の優勝を知らない世代です。女子サッカーにも歴史があることを知ってもらえるきっかけになればと思いました」と出版の意義を説明。

 さらに、「学校の図書館にも置いていただけたらうれしいです。サッカーだけではなく、自分の好きなことを見つけて努力したり、何事にもチャレンジしてほしいという思いがあります。一人でも多くの子どもたちに読んでもらえたらと思います」と笑顔で語った。

 一方、初めての著書となった『SMILE』について長谷川は、「最初は、本当に本にできるのかなという気持ちの方が強かったです。子どもの頃は感覚でやっていたことが多かったと思っていましたが、振り返ってみると、自分なりの考え方やポジティブな思考がたくさんあったことに気づきました。自分の考えを整理するいい機会になり、無事に一冊の本になってよかったです」と振り返った。

 タイトルに込めた思いについては、「サッカーでも『楽しむ』ことを大切にしていますが、意識して笑顔をつくっているわけではありません。自然と笑顔になることが多く、楽しいことが好きなので、一番自分らしいタイトルだと思いました」と明かした。

 また、どんな人に読んでほしいかという質問には、「サッカーファン以外の方にも読んでいただきたいです。ポジティブな考え方についてたくさん書いているので、少しでも前向きな気持ちになってもらえたらうれしいです」と語った。

 最後のテーマは、それぞれの今後について。来年の女子ワールドカップへ向け、長谷川は、「4年に一度の特別な大会ですが、準備の仕方はこれまでと変わりません。特別だからこそ、特別ではない日常を積み重ねていきたいと思っています。男子W杯の盛り上がりを女子W杯にもつなげていけるよう頑張りたいです」と力強く意気込みを語った。

 澤も、「男子W杯の熱を、そのまま女子W杯にも向けてほしいですね。そして、一人でも多くの方になでしこジャパンを知ってもらえたらと思います」と期待を寄せた。

 さらに、「最後に必要なのはハングリー精神。本当に苦しい場面で体を張ってゴールを守ること、決めるべきところで決め切る決定力。唯ちゃんともその話をしましたが、そこが備われば鬼に金棒です」とエールを送ると、長谷川も「ハングリー精神は環境から生まれる部分もあると思います。それをしっかり受け継ぎ、体現していかなければ世界では勝てません。そこを大切に取り組んでいきたいです」と応えた。

 イベント後半には、来場者との質疑応答やプレゼント抽選会、サイン会も行われ、二人はファンとの交流を楽しんだ。

■書誌情報
『ジュニア版 夢をかなえる。』
著者:澤穂希
価格:1,870円
発売日:2026年7月10日
出版社:徳間書店

『SMILE わたしを笑顔にする40の思考と習慣』
著者:長谷川唯
価格:1,980円
発売日:2026年7月10日
出版社:徳間書店

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