サッカー日本代表・上田綺世はリアル『ブルーロック』? 味方を囮にするエゴイスティックなストライカーぶりを考察

上田綺世はリアル『ブルーロック』?

 サッカー日本代表は6月21日、FIFAワールドカップのグループステージ第2試合でチュニジア代表と対戦し、4-0で勝利を収めた。この試合で2ゴール1アシストと躍動したFW上田綺世が放ったチーム2点目のシュートと、試合後のコメントがネット上で大きな話題を呼んでいる。

 前半31分、ペナルティエリア外でパスを受けた上田は、何度もキックフェイントを入れて相手のタイミングをずらし、右足を一閃。相手DFの股下を抜く鋭いシュートをゴール左隅に突き刺した。このとき、右サイドをMF伊東純也がフリーで駆け上がっていたが、上田はパスを選ばずに自ら狙うことを選択。試合の解説を務めた本田圭佑は、伊東の動きに触れつつ「それを無視して、パスを出さへんのかい! シュートのチャンスが潰れたやん! と思ったら、神シュートですよ」と称賛した。

 試合後のインタビューで上田は、前回カタール大会での悔しさを晴らせたと言い、自身のゴールシーンについて「純也君には申し訳ないですけど、本当にパス出す気なくて。自分も走り抜けてくれるのわかっていたので、それでスペース空いたタイミングで、そのスペース上手く使って、シュート打とうと思っていた。だから囮にさせてもらいました」と振り返っている。

 この味方を囮にして自らのゴールを優先させたエゴイスティックな姿勢に対し、ネット上では人気漫画を引き合いに出したコメントが続出。「上田綺世がブルーロック味ありすぎる! やっぱりストライカーは自分でゴール狙わないと」「上田綺世ブルーロック出身か? ってくらいエゴいコメントしてて良い」「「上田さんはブルーロックの最後の一人」といった声が上がっている。

 『ブルーロック』とは、日本がW杯で優勝するために必要な「世界一のストライカー」を育成する極秘プロジェクトを描いたサッカー漫画。「青い監獄(ブルーロック)」と呼ばれる施設に集められた300人の高校生FWたちが、負ければ永久に日本代表入りを禁止されるという過酷な環境のなか、自身の“エゴ”を覚醒させて最後の1人になるまで生き残りを懸けて戦うサバイバルストーリーだ。上田のゴールシーンは、まさにストライカーとしての本能が凝縮された場面。味方を使う選択肢を完全に排除し、自分で決めることだけを考えてキックフェイントを繰り返す姿は、まさに作中のキャラクターを彷彿とさせるプレーだった。

 また、一部では上田がどのキャラクターに該当するのかという議論も白熱。フィールドの戦況を認知して最適解を導き出す主人公の潔世一、ペナルティエリア内で自らの本能を爆発させる士道龍聖、自らを王様と称して強引にシュートを狙う馬狼照英を挙げている人が多いようだが、確かに作中での潔や馬狼は、味方すらゴールのために利用するメンタルの持ち主。また、上田の2点目となったヘッディングでのゴールは、体よりもボールが後ろにある難しい体勢だったが、こちらは“悪球”を大好物とする士道を思わせた。プレーが消える時間帯もあったカタール大会を思えば、上田の成長曲線が凄まじいことがよくわかる。

 そもそも、従来の日本サッカーにおける育成は、「仲間との連携」や「戦術理解」、「ポジションの役割」が最優先されてきた。それゆえに長年、絶対的な「ストライカー不在」が叫ばれ続けてきた歴史があり、だからこそ同作の画期的なアイデアが生まれたわけだが、今や日本人初となるオランダリーグの得点王にまで成長した上田のプレーをブルーロック視点で捉えれば、さらに試合観戦が楽しくなりそうだ。

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる