『ブルーロック』その男、オシャ! ピッチに舞い降りた長髪の貴公子・蟻生十兵衛

『ブルーロック』雷市陣吾の魅力

 曲者揃いの高校生FW300人が「青い監獄」と呼ばれるストライカー養成施設に集められ、生き残りを賭けて激しいサバイバルを繰り広げるデスバトルサッカー漫画『ブルーロック』(原作:金城宗幸/漫画:ノ村優介)。個性が過ぎるメンバーの中でも一際目立つその高身長と美しくなびく長髪が特徴的なキャラクターが蟻生十兵衛(ありゅう・じゅうべえ)だ。

美しいものこそ正義、ブルーロックのお洒落番長

 蟻生が初めて登場したのはブルーロックセレクション2次選考の舞台。主人公である潔世一(いさぎ・よいち)が指名したブルーロックランキングNo1プレーヤー、糸師凛(いとし・りん)率いるチームとの3VS3バトルで凛に次ぐNo2プレーヤーとして立ちはだかる。

 共にチームを組むフィジカルモンスター時光青志(ときみつ・あおし)と共に独特の世界観を醸し出す蟻生。195cmの長身もさることながらサッカー選手には珍しい腰まで伸びる程の長髪。何より事あるごとに口にする「オシャ」というワード。個性溢れる作中の登場人物の中でも文字通り頭ひとつ抜けている選手であることが伺える。

 その長身を生かした空中戦の強さは言わずもがな、さらには敵が保持しているボールを日本人離れしたリーチを活用して強引にシュートに繋げゴールを奪うシーンなど、対戦相手の想像を超える意外性に溢れたプレーも魅力だ。

 得意の高打点ヘディングシュートの際に当たり所が悪かったのかやんわり鼻血がでていても己のキャラクターを崩すことなくすました顔で佇み続ける。それこそがフィールド上で最もお洒落な男、蟻生十兵衛なのだ。

 その口癖故、想像に難くないところではあるが非常に美意識の高い選手である。マッチアップすることになった選手の髪の美しさに関心を示し「どこのトリートメントを使っている?」と断りもなく髪を手に取りながら質問する姿からもそれは見て取れる。

 髪本来の持つ輝きのポテンシャルから産まれたキューティクルを「ナチュラルボーン・オシャ」というパワーワードで表現されていたことをここに付け加えておきたい。

 そんなお洒落が服を着て歩いている男、蟻生にも触れてはならないNGワードがある。それは「十兵衛」という名前をイジられることである。溢れ出る戦国武将感、嫌でも付きまとう古風な雰囲気。それが本人にとって耐え難いコンプレックスを生み出しているようだ。

 例え蟻生と街でばったり出会ったとしても、名前をイジることだけはやめておいたほうがいいだろう。それはすなわちノット・オシャであるのだから。

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