【漫画】もしも競走馬が人と喋れたらどんな会話になる? 『ウマの言葉は理解りませんだから静かにしてください!』

競馬における熱戦のさなか、馬たちは何を話しているのだろうか。馬と話せる女子中学生・加賀屋志穂を主人公にした漫画『ウマの言葉は理解りませんだから静かにしてください!』の1エピソードを切り抜いた「オークス、それは女たちの戦い」がXに投稿されている。
馬と会話できるという不思議な世界観ながらリアリティも感じることができる、この異色作品について、原作・パラダイス農家さん(@paradaisu_nouka)と漫画・高草木こぶさん(@kobujime_55)に話を聞いた。(小池直也)
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――Xへの投稿、反響はいかがでしたか?
高草木:ゴールデンウィークで皆さんが手持ち無沙汰になりそうな時期、ちょうどG1シーズンが始まる頃でしたので、競馬に興味がある方に再度お届けできればと。「いいね」やリポストが爆発的に伸びたわけではないのですが、「知らなかった」というリプライが多くて。「1話から読んでみる」という反応が想定以上に来たのも嬉しかったですね。
――競馬を題材にした経緯は?
パラダイス農家:私自身、脈々と昔から続いているものが好きなんです。競馬は血統の連続性はもちろん、調教師さんや厩務員さん、馬主さんたちが繋いできた「自分の馬が一番だ」という思いも繋がっているんですよ。それを描きたかったのが一番ですね。
あとは尊敬する横山典弘騎手が「馬は頑張っているよ」とよくコメントされるのですが、その「頑張り」を人間の言葉にして伝えたいという気持ちもありました。競馬ファンには下世話に映る部分もあると思うのですが、あえて踏み込んだ形です。
高草木:原作を読ませていただいて、競馬に対するリスペクトを感じました。なので、競馬がすでに好きな人が見ても「見たことがあるシーンな気がする」と思ってもらえるリアルさを意識しています。
――高草木さんはもともと競馬に親しんでいらっしゃったんですか?
高草木:子どもの頃から競馬を見ていて、慣れ親しんでいましたね(笑)。実は牧場で働いていた経験もあるんです。
パラダイス農家:高草木先生はもともと競馬関連のイラストや同人誌活動もされていたんですよね。そういう積み重ねが漫画に出ていると思います。
――普段からコミュニケーションを取りながら制作をされています?
パラダイス農家:実は直に話すのは、これが初めてなんです(笑)。
高草木:はい、初めましてです(笑)。担当編集の野田さんを介して、ネームに対してパラダイス農家先生からコメントをいただくんですが、毎回膝を打つようなコメントをくださって、密かに楽しみにしています。
パラダイス農家:私の方こそ、小説の段階で漫画にしにくいシーンを、高草木先生がご自身の知識と「こうしたら面白い」というご提案でどんどん形にしてくださる。膝を打つどころか、両膝をついて拝み倒すような気持ちで毎月ネームを楽しみにしています。
――Xに投稿した本作(オークス回)で印象に残っている場面はどこでしょう。
パラダイス農家:実は原作の段階だと、馬同士の会話セリフは書かれていないんですよ。高草木さんが追加してくれた会話の場面を読んだとき、「言うことはない、この通りだ」と感動しました。
高草木:レース回ということで、馬たちがレース中に交わす掛け合いを、もっと内側から見せる形にしました。原作のキャラクターたちが生き生きしていて、どんな思いで走っているかが小説からもにじみ出ていたので、それをレースの流れに当てはめさせてもらった形ですね。
――制作で苦労する点は?
パラダイス農家:競馬予想と同じで、正しい情報を見つけるのが難しい。大多数の人が納得してくれるような、説得力を出すのは大変です。主人公のように馬と喋れたらインタビューできるんですけどね……。
高草木:私は競馬場の作画です。建物の構造が競馬場ごとに違うので、スタンドの形が少し違うだけで「この競馬場じゃない」と知っている人にはバレてしまう。中山競馬場なら中山、東京なら東京と、ちゃんと描き分けています。まさに「神は細部に宿る」ですね。
――もし馬と話せたら、何を聞きたいですか?
パラダイス農家:何が好きか聞きたいですね。ご飯なのか、走ることなのか。あとはどんな人が好きで、どんな人が嫌いか。嫌いって言われても「そうだよね」って共感したいです(笑)。
高草木:私は恋バナを聞きたいです。牧場で働いていた頃、すごくモテる馬や、特定の馬にだけ興味を示す馬がいたんです。人の感覚とは違うので「どこがいいの? なんであの子が好きなの?」って聞いてみたい。心が揺さぶられる何かが彼らにもあるはずなので。
――そもそも競馬の魅力とは。
パラダイス農家:月並みですが、ロマンですかね。血のロマンだったり、馬主さんやファンの「勝ちたい」という気持ち。親子三代で競馬好きな友達もいるんですが、おじいちゃんから孫へ昔の馬の話が受け継がれていく――そういう連綿と繋がれていくものが魅力だと思います。
高草木:私は「いつもある」というのが大きいです。競馬の歴史のなかでは辛い出来事も起こりますが、それでも競馬は続いていく。毎週誰かがどこかで頑張っているから、毎週競馬がある。みんなが紡いで繋いできたものという意味では、パラダイス農家先生と行き着くところは同じですね。
――今後の展望は?
パラダイス農家:私は小説をただ楽しんで書いてきたので、今後も楽しむだけですね。
高草木:漫画版は小説の面白さを生かしつつ、目で見て「競馬って面白そうだな」と思っていただけるような作品にできればと思います。
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■『ウマの言葉は理解りませんだから静かにしてください!』はWEBマンガサイト・マグコミで連載中!:https://magcomi.com/episode/2550912965470917527
(C)パラダイス農家 (C)高草木こぶ /マッグガーデン




















