【漫画】大人になっても両親が“子ども扱い”してくる本当の理由とは? 最後まで読むと意味がわかる漫画『不老の両親』

【漫画】大人になっても両親から子ども扱い

 作中に散りばめられた違和感がラストで“回収”される作品は、独特なカタルシスがある。SNSに投稿された『不老の両親』は、そんな気持ち良さを与えてくれ、読み終わった後には、急いでもう一度最初から読み返したくなる読切漫画だ。

 作中の“仕掛け”だけではなく、一筋縄ではいかないストーリー展開も面白い本作の作者・高川ヨ志ノリさん(@hiyokoblack)に、制作背景などについて話を聞いた。(望月悠木)

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『不老の両親』(高川ヨ志ノリ)

もう一度読み返したくなる構成を目指した作品

――『不老の両親』を制作した経緯を教えてください。

高川:本作は2011年に制作したため、若干記憶が曖昧です。観葉植物の擬人化漫画『俺の日陰で』、家禽の擬人化漫画『ごくらく袋』など、擬人化ジャンルを何本か描いたのですが、「読み手に『また擬人化ものか』と思わせておいて、実は見たままを描いている」という引っ掛けをやりたかっただけです。

――犬の擬人化にした背景は?

高川:当時勤めていた同人誌専門印刷所で“短い毛がたくさん密生したようなフカフカの紙”が少し余っていたので、「何かに使わないか?」と社長に言われたんです。「動物の漫画を描き、その表紙に毛皮っぽい紙を使いたい」と思い、犬を選びました。また、自分はずっと犬と縁のない生活をしていますが、大学構内にいた老犬の歯が抜けるところを、ちょうど見たことも影響しています。

――“短い毛がたくさん密生したようなフカフカの紙”を作品に昇華させたと。

高川:そうですね。『不老の両親』だけではなく、先述した『俺の日陰で』などは「B6判20頁冊子シリーズ」と題した短編シリーズの作品なのですが、同シリーズの作品は「印刷所内で中途半端に余った紙を、私が短い漫画の冊子を作って使い切る」という目的で作られています。

――ラストに作中の違和感が判明する構成でしたが、ストーリーはどのように組み立てていきましたか?

高川:「僅かに見える真人の耳の形状が人間と違う」「真人の台詞のフォントの種類が人間側とは違う」というヒントを最初から全部見えるところに出しておき、「見えていたのに1周目では気づかなかった」という形式の話にすることは決めて、あとは周辺を埋めていく感じで作りました。描きながらストーリーを作るタイプなので、あまり計画性はありません。

――まさに2週目でその意味に気づくセリフなどが多く散りばめられている内容でした。こういったセリフはどのように選んでいるのですか?

高川:もう一度読み返したくなる構成を目指したので、こちらの思惑通り、2周してくださり、ありがとうございます。この辺のセリフ回しは全て野生の勘で作っているので、「どう作っているのか」を説明できなくて……。

――真人の独白でストーリーが進行しますが、真人の独白を描くうえで意識したことは?

高川:真人は人間の言葉を理解しており、一方で両親は真人の言葉を理解できていないものの、一見会話が成立しているように見える、というところは意識しました。

――今後の漫画制作における目標など教えてください。

高川:初商業連載だった『怪奇古物商マヨイギ』(‎KADOKAWA)で、商業作品の作り方やテンポなどを学んだので、ここで得た知識をもう一度ぐらいは活かしてみたいですね。あとこれはただの野望ですが、『不老の両親』をはじめ、『俺の日陰で』『ごくらく袋』といった『B6判20頁冊子シリーズ』は現時点で26本程あります。大半の冊子は完売しているのですが、いつか全部集めたすごい総集編を作ってみたいです。単純計算で500ページ近いため、とんでもない厚さになってしまい、個人の経済力では絶対に無理なので誰か作ってください。


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