【漫画】学生時代のあだ名、いつまで呼ばれる? 人生リベンジラブコメディ『恋を描くには君知らず』

馬鹿にされていた学生時代のリベンジ――。学歴と容姿を得た主人公が4年ぶりに参加した同窓会のもようを描いた『恋を描くには君知らず』第1話がXで注目を集めている。
「センチメンタルラブコメディ」と銘打った本作を生み出したのは東山わかるさん(@wakarueast)。自分自身も好きなことを諦め、もう一度踏み出した経験を持つ彼女が漫画に込めた想いとは。(小池直也)
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――第1話を投稿した経緯について教えてください。
東山わかる(以下、東山):去年の9月くらいにも本作のプロトタイプを投稿したのですが、その反響が大きくて連載に繋がったんです。それを第1話として清書したものが本作でした。今回もたくさんの方に読まれて嬉しいですね。
――何が読者に刺さったと思います?
東山:自分の作品の中でこの作品だけがなぜここまで反響をいただけるのか、私自身も分析できていません……。何人かに「なぜだと思いますか?」と聞いてもみたんですけど、ある編集者さんは「リアルな日常だけでなく、素敵な男子が自分に話しかけてくる非日常が両方あるから」と答えてくれました。これについては引き続き考えていこうと思います。
――着想についても教えてください。
東山:実はもともと漫画のスクールの課題として描いた作品だったんですよ。テーマは「復讐」でした。これが全然浮かばなくて(笑)。人気のジャンルですが実際に描こうと思うと、復讐する人の気持ちにならないといけないじゃないですか。
それが難しくて、困っていたときに「自分の過去にリベンジする」という意味で考えればいけるかなと。ここから色々なアイデアが出てきました。そのなかで行き付いたのが「本当にやりたいことを諦めて容姿や学歴を得た、満たされない女の子を描く」という方向性でした。
ただバズったのはテーマの部分を描く前、主人公・トモコが同級生に小馬鹿にされる場面だったと思うので、複雑な気持ちもあります(笑)。
――ご自分も何かを諦めたことがあったり?
東山:私自身も創作に興味をずっと持っていたのですが、経済的なことなど現実ばかりを気にしてましたね。絵を描き始めたのは、ある程度の年齢になってから。言い訳ばかりしていて「なぜもっと早く始めなかったんだろう?」と今は思います。
だから「自分を取り戻す」みたいな物語が自分の作品には比較的多い気がします。もちろんトモコ=私ではないのですが、共感できる部分はありますね。自分のリアルな気持ちを彼女のものとして描いているような気がします。
――作画についてのこだわりなども知りたいです。
東山:絵を描くのは好きなのですが、描きたいシーンばかりではないですし、漫画は本当に大変です……。色々な角度から表現しないといけないから画歴の浅い自分では難しくて。最初は辛かったですね。
でも「自分が気に入る絵を描きたい」という一心で頑張ってます。少しずつ上手くなっているとは思うんですけど。一生懸命描いていることがこだわりかな(笑)。
――セリフとモノローグの対比も効いているなと感じました。
東山:一番自然に心に入ってくる言葉は何かなと考えながら、何度も推敲してます。普段こういうことを思っている訳ではなく、単純に思っていることと話していることが一致しない、という場面が人間っぽくて好きなんですよ。
――本作は今後どのように描いていきますか。
東山:途中の展開は細かく決めていませんが、ぼんやりとは先がイメージできているので、よいエンディングを迎えられるように頑張って描きたいです。
























