『ONE PIECE』黒ひげの血筋が明らかに? 歴史から名前を消された“デービー一族”とは

『ONE PIECE』ゴッドバレー事件の真相とは

※本稿は『ONE PIECE』最新話のネタバレを含みます。

 9月8日発売の『週刊少年ジャンプ』(集英社)41号に掲載された『ONE PIECE』の第1159話では、伝説の海賊ロックス・D・ジーベックをめぐる衝撃の事実が登場。それによって、物語の根幹に関わるような設定が浮かび上がりつつある。

 今回のエピソードで描かれているのは、38年前の世界で起きたゴッドバレー事件の裏側だ。ゴッドバレーでは天竜人たちが先住民を皆殺しにする「人間狩りゲーム」が開催され、海賊島・ハチノスから誘拐されたシャクヤクがその目玉商品とされてしまう。

 シャクヤクと懇意にしていたロックスは、ロックス海賊団の面々を引き連れて救出に向かうのだが、その途中でエルバフの王・ハラルドが率いる巨人族の船に道をふさがれることに。そこで盟友だったハラルドに対して、ロックスは自身の“秘密”を告白する。実はロックスという名は本当の名ではなく、「デービー・D・ジーベック」という隠し名があったというのだ。

 ロックスはデービー・D・ジョーンズを先祖とする一族の生まれだといい、その一族の名が世界政府に危険視されていたことも明かす。そしてゴッドバレーはそもそもロックスの故郷であり、妻と自分の子がそこに暮らしているという。

 作中ではこれまでにも、「デービー・ジョーンズ」という名前がしばしば登場してきた。ルフィたちがかつて巻き込まれた「デービーバックファイト」の元ネタとなった人物で、悪魔の呪いによって今も海底で生きているという伝説をもつ“深海の海賊”だ。

 海底といえば、「エッグヘッド編」でベガパンクが世界に向けて発信したメッセージの内容が思い出される。そこでベガパンクは、800年前に「古代兵器」による大幅な海面上昇が引き起こされ、世界は一度海に沈んだと語っていた。すなわち海底には、1000年前の世界が今も眠ったままだという。

 この情報を結びつけるなら、かつてデービー一族が暮らしていた国も800年前に沈められ、そのわずかな残党がゴッドバレーに残されていた……ということなのかもしれない。

■ティーチの特異体質にも関係? デービー一族の血

 今回判明した事実でもう一つ重要なのは、ロックスが後に四皇となる“黒ひげ”マーシャル・D・ティーチの父親であるということ。つまりティーチもまた、デービー一族の血を引いているのだ。第1159話のラストページでは、幼き日のティーチが「人間狩りゲーム」のターゲットにされているところも描かれている。

 ここで、同じターゲットにバッカニア族が含まれているのは意味深な描写ではないだろうか。バッカニア族はバーソロミュー・くまのように、“大柄な体格”という身体的な特徴をもつ種族。だとするとデービー一族も、特殊な体質を持つ種族なのかもしれない。

 実際にティーチについては身体の構造が「異形」で、人生で一度も眠ったことがないという情報も描かれていた。悪魔の実を複数食べることができたのも、そうした特異体質の影響だと思われるが、これはティーチ個人のものではなく、デービー一族に共通する特性だった可能性がある。だとすると、世界政府から危険視されていることも頷けるだろう。

 ちなみに「エッグヘッド編」のベガパンクによるメッセージでは、執拗に滅亡を望まれてきた「稀有な種族の末裔達」についても言及されていた。そこではバッカニア族、ルナ―リア族、三つ目族が暗に示されるに留まっていたが、実際にはデービー一族が含まれていてもおかしくはなさそうだ。

 ニカとの関連が考察されているバッカニア族と、世代を超えて“最悪の海賊”を生み出しているデービー一族。ルフィとティーチの対立とも重なるこの二つの種族は、歴史上どのような運命を背負ってきたのだろうか。

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※本稿は『ONE PIECE』原作最新話までの内容を含みます。ネタバレにご注意ください。  『ONE PIECE』には出自も正…

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